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【超簡単!】シンセサイザーのサウンドはたった3つの要素で出来ている?シンセサイザーの音作りの流れ

【超簡単!】シンセサイザーのサウンドはたった3つの要素で出来ている?シンセサイザーの音作りの流れ

シンセサイザーソフトウェアは、一見するとボタンやパラメーターが多く、どこを調整すればどのように音が変化するというのを理解するのが難しいように感じます。

しかし、アナログシンセサイザーの構造は非常にシンプルで理解しやすいものです。この基本的な仕組みを理解することで、ほとんどのアナログシンセ、モデリングシンセ、ソフトウェアシンセを操作できるようになります。

特定の製品ごとの扱う方を勉強するよりも、すべてのシンセサイザーに共通した仕組みを理解することで、どんな機種であっても直感的に使いこなすことが可能になります。

今回は、シンセサイザーの基本的な仕組みと構造についてご紹介していきます。

モジュラーシンセサイザーからの進化

初期のアナログシンセサイザーは、発売当初はモジュラーシンセサイザーとして登場しました。この頃のシンセサイザーは、様々なパーツが"モジュール"と呼ばれる部品に分かれ、これらをケーブルで接続して音の流れを構築し、楽器としての構造を組み立てる仕組みでした。

しかしその後、効率性を考えたときに最も有効である配線の方法が判明しました。このため、小型のシンセサイザーでは、音の流れを作るためのパッチング機能を排除し、既に配線が施された形の製品が主流となりました。

基本はVCO(オシレーター)→VCF(フィルター)→VCA(アンプ)の3つの流れ

シンセサイザーの音を制御する上で、最も効率的な配線の流れはVCO(オシレーター)、VCF(フィルター)、VCA(アンプ)の3つの要素です。

最初にオシレーターでサウンドの基礎なる波形を生成し、音の高さを定めます。このときに、倍音が豊富な波形が選ばれることが多いです。生成された音は次にフィルターに送られ、倍音成分がカットすることで、音色が整えられます。最後にアンプで音量を調整すれば、基本的にはこれでシンセサイザーの音作りが完了します。

シンセサイザーの仕組みを理解する!DTM入門者向けガイド

多様化するシンセサイザーの仕組み

より幅広いサウンドメイクを可能にするために、最近の高品質なシンセサイザーでは通常2〜3個のオシレーターが並列に配置され、フィルターセクションに送る前にミキサーでミキシングする仕組みが採用されています。

その他にも、複数のフィルターを2つ並列または直列に使用できるものが増えており、アンプセクションの後には各種エフェクターが組み込まれていることがほとんどです。

ただし、色んな拡張機能があったとしても、基本的な音作りの流れは変わりません。複雑に見えるシンセサイザーでも、VCO→VCF→VCAの配置がほとんどで、シンセサイザーのパネルを探せば、必ず各セクションを見つけることができるはずです。

それでは、ここからVCO、VCF、VCAについてさらに詳しく見ていきましょう。

VCO(オシレーター)

VCOはVoltage Controlled Oscillatorの略で、電圧で制御される発振器を意味しています。

オシレーターではノコギリ波や三角波といった音の原型を生成し、オシレーターで指定できるのは基本の波形と音の高さです。VCOで生成された音はフィルターやその他のエフェクト類で加工されることになるのですが、まさに料理で言うところの"素材"となります。

初期のデジタルシンセサイザーでは、オシレーターの音がしっかりしていないことがあり、そのためにフィルターやエフェクターでサウンドを強引に補強することが多かったです。しかし、最近ではオシレーターから生成されるサウンドの品質も上がり、そのままでも十分にカッコいい使える音であるという特徴があります。

素材が良ければ、それほど加工しなくても使えるトーンになるので、オシレーターの音の良さが音楽制作において重要です。

オシレーターの基本波形

オシレーターでは、シンプルな基本波形がいくつか用意されています。デジタルシンセサイザーでは、より複雑な波形やPCM音源などが登場しましたが、ここでは最も基本的なアナログ合成に焦点を当てて説明します。

一般的に、アナログ合成に搭載される波形には、ノコギリ波、三角波、短形波、パルス波、ノイズなどがあります。それぞれ倍音の違いによって異なる音色を出力しています。

シンセサイザーの音色を強化する為の5つのテクニック

たとえば、ノコギリ波は全ての整数倍音を含んでおり、そのため、明るく多様な音作りに適しています。一方で、四角い形状の波形は奇数倍音のみを含んでおり、木管楽器のようなサウンドが特徴です。

パルス波は波形の幅が完全に半分になっていない波形を指し、これらの波形の違いは基本周波数に対して整数倍の高次成分(倍音)がどのように含まれているかによって決まります。

VCF(フィルター)

VCOで生成された音はVCFに送られます。VCFはVoltage Controlled Filterの略で、電圧で制御されたフィルターという意味です。

フィルターは簡単にいうと、不要な成分をカットし必要なものだけを通す装置です。シンセサイザーにおいては、オシレーターで生成された広い音域の中で、どの成分をフィルターを使ってそぎ落とすのか?ということが重要な要素となります。

フィルターの中でも最も一般的に使用されるのがローパスフィルターで、これは低い周波数(ロー)を通過させる(パス)フィルターになるので、明るい高域をカットするフィルターです。

その他にもハイパス、バンドパス、ノッチといったフィルターが搭載されていることが多く、高品質な機種であるほどフィルターの種類もさまざまです。

シンセサイザーの音作りに役立つ5つのヒント

フィルターによる音作り

ローパスフィルターの特徴的な操作は、カットオフ周波数のつまみです。このつまみを上げるとフィルターが開き、全ての音を通過させるので、音は明るくなります。逆に、つまみを下げると高域がカットされていき、音は暗くなります。このつまみはフィルターセクションの中でも特に重要であり、このカットオフの調整がシンセサイザーの音作りの大部分を担っています。

次に重要なパラメーターとして"レゾナンス"があります。レゾナンスは、フィルターでカットした周辺の帯域を強調するもので、カットオフ周波数付近の帯域を際立たせる効果があります。このつまみを上げることで、エッジの効いたサウンドや癖の強い音に仕上げることができます。

VCA(アンプ)

VCAはVoltage Controlled Amplifierの略で、電圧で制御されたアンプ装置を指します。このパラメーターは音量、つまり音の強さを調整するものです。

シンセサイザーのアンプでは、単純な音量の調整だけではなく、音の立ち上がりや持続音、減衰のコントロールができるのが大きな特徴です。

この音量以外のより細かな音の強さをコントロールするのが"エンベロープジェネレーター"です。多くのシンセサイザーには、VCAのブロックの中にエンベロープジェネレーターが組み込まれています。

エンベロープジェネレーター

エンベロープジェネレーターは、各要素の頭文字から"ADSRエンベロープ"とも呼ばれ、あらかじめ設定した時間変化をするモジュレーション機能の一つです。

これをVCAに使用することで、単に鍵盤を叩いて音が出る、音が消えるの動作に加えて、A(Attack)D(Decay)S(Sustain)R(Release)という4つの値を設定することで、様々な音の立ち上がりや減衰を自由にカスタマイズできるようになっています。

  • ATTACK
    鍵盤を押してから最大音量に到達する時間
  • DECAY
    最大音量からSUSTAINの値に到達する時間
  • SUSTAIN
    鍵盤を長押ししている時の音量
  • RELEASE
    鍵盤を離した時に、音が消えるまでの時間

文字にすると分かりづらいですが、実際にシンセサイザーで音を出しながら、パラメーターを操作しているとすぐに使いこなせるかと思います。

例えば、ATTACKを「1.00 s」に設定すると1秒かけて音量が最大になります。PADやストリングスのような柔らかい音色を作るときに使用します。RELEASEを「1.00 s」にすると1秒かけて音が消えていきます。リバーブ効果のような自然な残響音を付与することができます。

まとめ

今回ご紹介したシンセサイザーの基本的な仕組みを理解することで、どんな製品であっても直感的に操作できるようになります。

アナログシンセサイザーの構造は、VCO、VCF、VCAの3つの要素により構成され、音の生成から形成、最終的な音量の調整までの流れが基本です。モジュラーシンセサイザーから進化してきた現代のシンセサイザーは、音作りの為の様々な拡張機能が加わっていますが、基本的な構造は変わっていません。

各要素には多くのパラメーターがあり、フィルターのカットオフ周波数やレゾナンス、エンベロープの設定をし、これらの要素を組み合わせることで、無限に近い音色を作り出すことができるのがシンセサイザーの魅力です。

以上、「【超簡単!】シンセサイザーのサウンドはたった3つの要素で出来ている?シンセサイザーの音作りの流れ」でした。


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