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【歌声タイプ別】ボーカルイコライザーのかけ方!声質に合わせた最適なEQ設定

【歌声タイプ別】ボーカルイコライザーのかけ方!声質に合わせた最適なEQ設定

ボーカルの声質を変化させたり、オケに馴染ませるようにしたい場合、多くのエンジニアの方がイコライザーエフェクトを使って補正するかと思います。

しかし、声質に合った正しい使い方がわからなかったり、思い通りの効果が得られない…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、歌声タイプ別のイコライザーの使い方にについてご紹介します。ボーカルの声質を理想的なものに仕上げるためのテクニックを探っていきます。

ボーカルのEQマップ


上の図は、簡易的なボーカルサウンドのイコライジングポイントです。表記されている効果以外にも、例えば16kHz辺りのエアー感の部分にはヒスノイズが含まれていたり、200Hzのこもり部分は、男性ボーカルにとっては声の「太さ」に関わってきたりと、複数の要素が混ざっていることもあるので注意しましょう。

明るさ部分をブーストして歯擦音も一緒に持ち上がってしまうこともあるので、EQによる強調やカットを行う際には、周辺の要素にも配慮しながら操作することが重要です。

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男性ボーカルのEQ設定

男性ボーカルであれば「太くて歯切れの良いサウンド」を目標に進めていきます。

通常、男性ボーカルは女性ボーカルよりも低い音域で歌われる傾向があります。また、特定のジャンルでは、エレキギターやピアノといった伴奏楽器の帯域と被ることが多く、これらの周波数帯域に注意する必要があります。

こもりを回避して太い声にする

マイクの特性や録音時のマイクとの距離が遠いことにより、男性ボーカルが本来持つべき「太さ」が足りなく感じられることがあります。その際、EQの低域を思い切ってブーストすると、太い声質になったように思えますがミックスを進めているうちに「他の楽器の低音領域と被ってしまい、モコモコに…」という経験をした方も多いのでは?

このような状況では、まずボーカルの太さの主成分のみを強調し、その前後の周波数帯域を抑えることで、太さを引き出すことができます。

設定の一例としては、声の太さの中心である200~250Hz辺りを2dB程度ブーストします。もちろん声質によって微調整は必要になります。次に、シェルビングで100Hz以下をわずかにカットし、400Hzを2dBカットします。これにより、透明感のある太い男性ボーカルが完成します。

実際にオケに混ぜてみて、少し埋もれているように感じる場合は16kHz周辺をブーストすることで、太さを強調しつつ、キレのある男性ボーカルになります。

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女性ボーカルのEQ設定

男性ボーカルに比べて、女性ボーカルではより高音域とよりクリアな透明感のあるサウンドが求められることがあります。高音域に焦点が当てられがちですが、女性ボーカルであっても低域は重要な帯域であり、低域の調整を間違えると芯のない軽いサウンドになってしまう可能性があります。

また、アップテンポで力強い楽曲とバラードのようなスローな曲では、女性の声の引き立て方や周波数のポイントも異なります。

オケに埋もれない歌声

女性ボーカルでも、使用するマイクによっては太くて温かみのあるサウンドになることがありますが、低音成分が過剰になると逆に女性ボーカルなのに、モヤモヤとしたこもった印象を与えることがあります。→ボーカルミックスがこもる時の解決方法

例えば、マイクとの距離が近すぎると近接効果により中低域が強調され、思ったよりも低音が出てしまうこともあります。曲調によってはそれでいい場合もありますが、抜けの良いサウンドが求められる場合には適切な処理が必要です。単純にイコライザーでローをバッサリとカットしただけでは、女性ボーカルでも必要な帯域が失われがちなので、注意が必要です。

低域、中域、広域それぞれの柱となる帯域の軸を強調することで、激しい楽曲の中でも存在感のある女性ボーカルを際立たせることができます。

EQ設定の一例としては、まずはピーキングで幅を広めにして100~120Hz辺りを1.5dBカットし、次に250~400Hzの間にある声の芯となるポイントを1~2dBブーストし、細くて軽いボーカルにならないようにします。そして、声質に合わせて2.5kHz辺りを適度にブーストし、エッジの効いた埋もれないサウンドに仕上げましょう。

もし、さらに透明感やエアー感が欲しい場合は、6kHz周辺をブーストすることで、クリアですっきりとした女性ボーカルに仕上げることができます。

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ロック系ボーカルのEQ設定

ロック系のボーカルの場合、エレキギターとベースに被らないように回避しながら調節することが重要になってきます。

激しいロックアレンジの楽曲では、低域から高域にかけて広い範囲で楽器サウンドで満たされていることがほとんどです。特にボーカルをセンターに配置する場合は、他にもベース、バスドラム、スネアといった重要な楽器要素との兼ね合いも考慮する必要があります。

他の楽器に負けないようにと音量だけを上げると、ボーカルだけが浮いてしまい、全体のサウンドも迫力に欠けた印象を受けてしまいます。そこで、バンドサウンドの良さを維持しながら、存在感のあるボーカルを引き立てる為のEQ設定が必要になります。

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EQ設定の一例として、まず他の重要な楽器との兼ね合いを考慮します。ロックの場合、スネアが200Hz、ベースサウンドが400Hz~450Hz付近、エレキギターが2kHz周辺にピークがあることが多いです。この帯域との衝突を避けるため、それぞれを1~3dBほどカットします。そして、500~1kHzの中音域と、4~8kHz辺りをブーストすることで、息遣いも含めたギラギラとしたサウンドにすることができます。

ラップ系ボーカルのEQ設定

ラップボーカルの場合は、言葉によるメッセージを確実に伝えるために、はっきりと聞き取りやすいボーカルサウンドに仕上げる必要があります。

一見難易度が高いように思えますが、通常のボーカルよりも音域の高低差が少ないため、EQによる処理幅が狭く済むこともあり、余分な帯域カットをせずにEQ処理することができます。

ヒップホップトラックでは808ベースと呼ばれる超低音域の楽器を使うのが定番となっているので、ハイパスフィルターで120Hz以下をごっそりカットしてしまいます。男性ボーカルで、低い音域が続くラップフレーズの場合には、250Hzを3~4dBカットすることでより歯切れの良いサウンドにすることができます。

ラップのパワー感を強調したい場合は、サチュレーションプラグインなどで適度な倍音を加えることで、よりパンチのあるボーカルトラックに仕上げることができます。

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バラード系ボーカルのEQ設定

バラードボーカルでは、ピアノ、アコースティックギター、ストリングス系などのオーケストラと共に、歌詞の内容が伝わるように大切に歌い上げる必要があります。EQ設定の主な目的は、胸などに響く音を強調し、息遣いもリアルに聞こえるように広域成分を強調することです。オケに埋もれがちな小さな表現もクリアに聞こえるようなサウンドを目指します。

表現力をより自然に引き出すための、イコライジング設定としては、まず250Hz辺りを1~2dBブーストします。次に、2kHz周辺をブーストすることで手前に張り付くような臨場感を出し、シェルビングで10kHzを2~3dBブーストしてボーカルの息遣いを強調し、よりリアルな音に仕上げましょう。歯擦音が気になる場合は4kHz付近をカットします。

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250Hzより下には、部屋鳴りの響きも多く含まれています。この帯域をブーストすることで、安心感を与える暖かいサウンドになりますが、同時に環境ノイズが含まれる帯域でもあるため、低域にノイズがある場合は、ハイパスフィルターで60~80Hz辺りからカットしてノイズ成分を目立たなくします。

まとめ

音楽制作において、ボーカルの存在は極めて重要です。しかし、歌声の質や音楽ジャンルによって、理想的なサウンドを引き出すためのイコライザーの使い方は異なります。

他の楽器との兼ね合いや、どの音域を一番に聴いてもらうのかを考えて、EQによる処理を施すことで、よりボーカリストの魅力を引き出し、理想的なボーカルトラックを入手することができます。

いうまでもなく、ボーカルトラックは一番注目の集まるパートでもあるので、たっぷりと時間をかけて慎重にミキシングを行うことで、楽曲クオリティを格段に向上させることができます。

以上、「【歌声タイプ別】ボーカルイコライザーのかけ方!声質に合わせた最適なEQ設定」でした。


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