エレキギターの正しいセッティング方法
弦をジャカジャカするだけでも音は出ますが、エレキギター本来のサウンドを鳴らすには、ギター本体とアンプをケーブルで繋ぎ、必要に応じてエフェクターやアンプのセッティングを調節する「音作り」が重要になります。
エレキギターは電子楽器なので、アコースティックギターのような生音以外にも、こういった周辺機器を正しくセッティングを覚えておくことは非常に大切です。
今回はエレキギターの正しいセッティング方法についてご紹介します。
1. ギター本体
一般的なエレキギターの本体にはボリューム、トーン、ピックアップセレクターが搭載されています。
用途に合わせて調節することはありますが、基本はボリュームとトーンは全開にすることで、そのエレキギター本来のサウンドが出力される仕様になっています
ボリュームとトーン
ボリュームやトーンを絞ると音量が下がるだけでなく、歪みの質が変化したり、ハイカットしたような少しこもった感じのサウンドになります。そういったサウンドを狙っているのならいいですが、基本的にはMAXにしておきましょう。
ピックアップセレクター
ピックアップセレクターはピックアップと呼ばれるギターの弦振動を拾うパーツのどのポジションで音を拾うかを選択する目的で使用します。
どれを使用するかはもちろんどういったサウンドが欲しいかによりますが、通常はリアピックアップをメインとして使用することが多いです。
特にこれからエレキギターを始めるという方は、リアピックアップをメインとした音作りからスタートしてみることをおすすめします。
2. ギターとアンプをシールドで繋ぐ
ギターのジャック部分にシールドを挿し、アンプのボリュームが0になっていることを確認してから、アンプのギター入力と繋ぎます。
ギターから直接アンプに繋いだり、間にエフェクターを繋いだりするパターンがあります。
シールドの品質がアンプからの出音に直結するので、出来れば初心者セットについてくるようなものではなく、低価格でもいいので信頼ある音楽メーカーの製品を1本持っておくと安心です。
→【初心者向け】ギターアンプの基本的なシールドの繋ぎ方
3. アンプセッティング
ギターとアンプを繋いだらアンプのセッティングを行いましょう。
一般的なアンプにはボリューム、ゲイン、トレブル、ミドル、ベースと呼ばれるつまみが付いており、これらを調節して音作りを行います。
それぞれのつまみの機能は以下のとおりです。
- ボリューム(VOLUME) : 音量を調節
- ゲイン(GAIN) : 歪み量を調節
- トレブル(TREBLE) : 高音域の量を調節
- ミドル(MIDDLE) : 中音域の量を調節
- ベース(BASS) : 低音域の量を調節
ロックギターの場合、ゲイン量の調節によって音の印象が大きく変わるので、実際にゲインつまみを右に回してみて、どのように音が変化していくのかを確かめてみましょう。
はじめてアンプを使う方はトレブル、ミドル、ベースのつまみを12時方向にして、ゲインを使って音作りを行い、ボリュームで最終的な音量を調節することから始めてみるのをおすすめします。
→ギターアンプの音作りと正しい使い方
4. チューニング
アンプから音が出たら、まず最初にチューニングを行います。
ギターの6弦側(太い方)からチューナーを使い「E・A・D・G・B・E」になるように合わせましょう。
最近だとスマホアプリやGoogle検索でもチューナーを利用できるので便利です。
→ギターチューニングの正しいやり方
より高度なセッティング
オクターブチューニング
オクターブチューニングは12フレットのハーモニクス音と12フレットを押さえた音の音程を合わせることを目的としてチューニングを行う方法です。
オクターブチューニングを行わないと、普通のチューニングで音を合わせても、フレットを押さえると音が微妙にずれるという現象がおきます。
オクターブチューニングのやり方
オクターブチューニングはブリッジのサドルを調節して音程をあわせていきます。
画像のようにネジをドライバーで回して弦の長さをミリ単位で調節することで音程がわずかに変化するので、12フレットを押さえて音を確認しながら微調整していきましょう。
弦の高さ
弦高は弦とフレットとの高さを調節することです。
弦高を高くするとクリアなサウンドになりますが、弦が押さえにくくなるというデメリットもあります。逆に弦高を低くすると弾きやすさは向上しますが、フレットと弦が触れてしまうことによる「音びびり」が発生する可能性があります。
好みの高さは人それぞれですが、音がびびらない程度に出来る限り弦高を下げることができれば、最高のパフォーマンスを発揮できます。
弦高の調節方法
ギターの機種により多少異なりますが、大きく分けると、各弦のサドルごとにネジで調節するタイプとブリッジの根元のナットで調節するタイプに分かれます。
時計回りにまわせば弦高が低くなり、反時計回りにまわせば弦高が高くなっていくので、最適な高さに合わせましょう。
ピックアップの高さ
ピックアップと弦の間の幅を調節することで、音質、歪み、ノイズ量など、様々なサウンド変化が現れます。
高くすると音量がアップし、アタック感が増し、より派手な音になりますが、高すぎると音が割れやすくなるので注意。反対に低くするとマイルドで太めのサウンドになりますが、下げすぎるとボヤけたサウンドになります。
高さの目安はピックアップの種類や弦ごとによって変わるので一概にはいえませんが、リアのシングルコイルピックアップの場合、最終フレットを押さえた時に弦とポールピース(ピックアップの金属部分)の隙間が1弦側で2mm程度、6弦側で2.5mmくらいが大体の目安となっています。
ピックアップの高さの調節方法
ピックアップの横についているネジを回すことで高さを変更できます。
ダイレクトマウント(直付け)仕様のギターの場合は、ピックアップを取り外して、底にウレタンなどを挟むといった作業が必要になります。
まとめ
エレキギターの正しいセッティング方法についてご紹介しました。
アコースティックギターと違い、エレキギターは電子機器を含む為セットアップが必要です。基礎的な内容ではありますが、正しくセッティングすることでギター本来のサウンドを鳴らすことができるようになります。
以上、「エレキギターの正しいセッティング方法」でした。