【ボーカルに厚みが欲しい！】歌の録音時に使える5つの重ね録りテクニック
ボーカルは楽曲の中でも一番大切なパートになります。ボーカルの品質を上げることが出来れば、最終的な音源の品質を上げることに直結するので、楽器に埋もれないような力強さが必要な場合もあります。
既存の楽曲の多くは、メインとなるリードボーカル以外にも、たくさんのボーカルトラックを重ね合わせることで、音に厚みと深さのあるボーカルトラックに昇華するというテクニックが使用されています。
そこで今回はボーカルトラックを複数重ねて、より豊かなサウンドにする方法についてご紹介。
重ねる要素を考える
ボーカルを重ねると一言にいっても、ダブリング効果やハモり、コーラスパートの作成など、ミックスに入る前にリードボーカル以外のどういったサブパートを作成するのかを検討しましょう。
基本的には最初にメインボーカルを録音して、基本的にメインボーカルはセンターの前面に配置しますが、より豊かなサウンドにする為にステレオ幅をワイドに利用することもあります。
様々なボーカルレイヤーを重ね合わせて、これらすべてのピースを上手く組み合わせることで、高品質なボーカルトラックが作成されます。
ボーカルオーディオをクリーンアップする
ボーカルトラックを重ねる前に、ボーカルオーディオのクラックやクリック音、歯擦音やポップノイズ等のオーディオ欠陥を取り除きます。
歌声は人から発する音なので、様々なノイズが含まれています。まずはドライなボーカルトラックを可能な限り綺麗な状態にして、すべてを修正することが重要です。修正する方法として、ボリュームオートメーションを書いたり、波形のカット編集、ディエッサー処理、EQを使った処理が一般的です。
1. ダブリング
ダブリングは、同じセクションを複数回レコーディングして、重ね合わせることで厚みを加えるテクニックです。コピーで重ね合わせるのではなく、複数回レコーディングして重ね合わせることで、ピッチやタイミングに微妙な変化が生まれます。
何テイクかレコーディングすることで、重ね合わせたときにボーカルに独特の揺らぎ感と、複数人で歌っているかのような厚みを加えることができます。
2. ハーモニー（ハモり）
ハーモニーは、主旋律に対して違う音程で歌ったトラックを重ねるテクニックのことで、よく「ハモり」とも言われています。ほとんどの楽曲で使用されているテクニックなので、ハモりが無いと厚みや迫力に欠けたような印象を受けやすいです。
メインに対してハーモニーを作成する場合、一般的には主旋律の3度上、または3度下の音を重ねることが多いです。その他にも4度や5度といった音程間も使われることもありますが、特に協調性が強くなりすぎてメインを食ってしまうこともあるので、注意が必要です。
3. オクターブ（ユニゾン）
ユニゾンは、同じ高さの音を同時に歌うことです。メインとなるメロディーの流れを邪魔することなく、厚みと力強さをプラスすることができます。例えば、1オクターブ下を歌って低音を補完するといったような使い方ができます。
そのまま重ねるよりも、EQと使って帯域を住み分けしたり、違う声色を持ったボーカル（別のボーカリストに歌ってもらう、ボコーダーエフェクトをかける等）にするとより効果的です。
4. コーラス
コーラスは、複数人で合唱するという意味合いがあります。「ハモり」もコーラスに含まれますが、ハモりがメインのメロディーを補完することに対して、コーラスは曲全体の雰囲気を高めるために使用されることが多いです。
メインメロディーだけでは得られない、豊かな響きと奥行きを生み出すことを目的とするので、「ウー」「アー」といった母音のみで歌ってアンビエントな雰囲気を強調したり、オブリガードのような主旋律とは違うメロディーを歌うこともあります。
5. 空間系エフェクト（リバーブ、ディレイ等）
リバーブやディレイの空間系エフェクトを使って、トラックに残響音を付与することで、ボーカルを重ねたような厚みと壮大さを加えることができます。
やり方としては一番シンプルかつ、得られる効果も大きいので、ボーカルに空間系エフェクトを使うというのは最もよく採用されているテクニックの一つです。ただし、やりすぎると「濁り」の原因にもなるので、適度にかけるようにするのがポイントです。
まとめ
今回はボーカルトラックを複数重ねて、より豊かなサウンドにする方法についてご紹介しました。ボーカルトラックを重ねるテクニックとしてはは、ダブリング、ハーモニー、オクターブ、コーラス、空間系エフェクトなど、様々な方法があります。
これらのテクニックを組み合わせることで、ボーカルに厚みや深み、広がりなどを加えることができるので、今回ご紹介したテクニックを参考に、ボーカルをより魅力的なものにしてみてください。
以上、「【ボーカルに厚みが欲しい！】歌の録音時に使える5つの重ね録りテクニック」でした。
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