メロディーに合ったコード進行を作成する方法【DTM】
コードに合わせてメロディーを付けるのは出来ても、反対にメロディーに合わせてコードを付けるのが苦手という方は意外と多いのではないでしょうか?
ソングライターとして活動していれば、音楽アイディアとしてメロディーラインが先に思い浮かぶときもあるかと思います。そういった場面で、メロディーに合わせてコード進行をつけるスキルを持ち合わせておくことで、思い浮かんだメロディーアイディアをいつでも最大限に活用することが可能になります。
今回は、メロディーのキーを判別して、そのキーに対応するコード群を見つけ出す方法。さらに、それらのコードを使用してコード進行を作成する方法をご紹介します。
ダイアトニックスケールを理解する
メロディーに対して最適なコードを付ける為には、ダイアトニックスケールについて学ぶ必要があります。
→ダイアトニックコードとは?【作曲に役立つ音楽理論】
ジャンルにもよりますが、ヒットチャートのポップソングで使用されるコード進行は比較的シンプルなものが多く、ほとんどがダイアトニックコードを使用した2~4つのコードサイクルで構成されていることがほとんどです。
簡単にいうとダイアトニックとは、あるキーを基準としたスケールを指します。例えば、Cメジャーダイアトニックスケールは、C、D、E、F、G、A、Bという7つの音からなります。つまり、曲のキーがCメジャーの場合、メロディーに使われている音のほとんどはCメジャースケール内の音になります。
また、同じようにコードに使用される音も、そのキーを基準としたスケール内の音を含む和音の組み合わせになります。
ダイアトニックについて理解していることで、メロディーに対しての最適なコードを導き出すためのヒントとなり、コードアレンジする際にも役立ちます。
実際にメロディーに対してコードを付けてみる
ダイアトニックについて理解出来たら、ここからは、実際にDAWを使ってメロディーに対してコードを付けてみようと思います。
頭の中にメロディーが思いつき、DAWのピアノロールに打ち込んだところからスタートしてみましょう。
今回は有名な「カノン」のメロディーを使用しますが、自分で思いついたオリジナルメロディーでも同じやり方でコードを付けることができるので、手順に従って実際にやってみてください。
まずは、このメロディーのキーを判別するために、メロディーの音の並びを調べます。
キーを見つける
キーを判別するときは、メロディーの一番低い音から高い音に向かって、どのような音間隔で並べられているかをみることで、スケールとその中心音を判別することができます。
例えば、このカノンのメロディーだと、真ん中あたりの音の上昇部分に注目すれば一目瞭然です。
メロディーの明るい雰囲気と、全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音の並び方からメジャースケールであることを割り出し、メジャースケールの音の並びと照らし合わせることで、中心音はDだということが分かります。
譜面やピアノロールだけ見て判別するのが難しい場合は、音を鳴らしながら探すことで、中心をなる音を感覚的に見つけることができるのでおすすめです。
※一番落ち着く、終わった感じがするような音がキーの音です。慣れればすぐに見つけられるようになります。
ダイアトニックコードを作る
ダイアトニックコードの作り方に基づいて、Dメジャースケール内の音を重ねてトライアドコードを作成してみましょう。
スケールの音間隔を守りながら、3度、5度と上に重ねることで、Dメジャースケールのすべての音からコードを作成することができます。
これで無数にあるコードの中から、7つのコードにまで絞り込むことができました。
7つをそのまま並べるとこんな感じ。
まだ音楽的とはいえないので、ここから綺麗なコード進行になるようにします。
ディグリーネームをつける
音程差については度数というものが使われていましたが、コードの音程差を表す場合にはディグリーネーム表記を使うのが一般的です。
これでキーに関係なく、相対的にコードの持つ役割を把握することができるようになるので、ディグリーネームで覚えるようにしておきましょう。
主要3和音で試してみる
まずは、コード進行の基礎となる主要3和音からスタートしてみます。
主要3和音については【主要三和音】ケーデンスについて | 作曲に役立つ音楽理論でも説明しましたが、コード進行のもっとも基礎となるケーデンスⅠ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰの流れを試してみましょう。
ケーデンスを使うことで、一気に音楽的になったかと思います。
ここからはコードとメロディーの関係性を見ながら、さらに綺麗に響く音を探していくコードアレンジの段階になります。
コードアレンジで気を付けること
アレンジに正解はないので、コードアレンジの際に気を付けるべきことをいくつかまとめておきます。
なるべく半音でぶつからないようにする
コードとメロディーが半音の関係になることが必ずしもNG!というわけではないので「なるべく」という表現を使いましたが、基本的にはアボイドノートといって避けるほうがいいとされています。
メロディーの流れやリズムを考慮する
コードアレンジをするときには、曲のメロディーやリズムを考慮して、コードの配置や変化を行うことが大切です。これにより、曲がより自然で流れやすくなります。
ジャンルやスタイルに合わせる
曲のスタイルやジャンルを考慮することによって、より音楽的に合ったコードアレンジができるようになります。例えば、ロックやポップスでは、濁りの少ないエッジの効いたコードアレンジが適しているのに対し、ジャズやクラシックでは、より和声的で繊細なコードアレンジが適しています。
コードアレンジの目的を明確にする
コードアレンジをする目的を明確にすることで、より的確なアレンジをすることができます。例えば、他の楽器との兼ね合いを考えて、音域を変更したり、コードチェンジをよりスムーズにするために、コードの転回系を使用したりも考えられます。
まとめ
今回は、DTMを使ってメロディーに合わせたコード進行を作成する方法をご紹介しました。 まずは、メロディーのキーを特定し、そのキーを基準としたダイアトニックスケール内の音からコードを作成してみましょう。
コードアレンジの際には、メロディーの流れやリズム、ジャンルやスタイルなど、様々な要素を考慮しながら、より音楽的なコード進行を作成していきましょう。
以上、「メロディーに合ったコード進行を作成する方法【DTM】」でした。