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DTM

ミキシングで役立つ楽器ごとのEQポイント一覧表【DTM】

EQ イコライザー


ミキシングで役立つ楽器ごとのEQポイント一覧表【DTM】


EQはミキシング作業において必須のツールですが、どこを削ってどこをブーストすればいいのか、それらを調整することでどういう効果が生まれるのか?この辺りをまだ具体的に把握できていない方もいるかと思います。

楽器ごとにおいしい部分削ってしまったほうが良い部分というのが存在します。

間違えて楽器にとって大切な部分を削ってしまったりしないように、今回は各楽器ごとのEQポイントについての一覧表を作成します。


※EQタイプによる特長や詳しい使い方についてはこちらの記事をごらんください。



キックドラム

kick drum


キックドラムはもっとも大きなエネルギーを生み出すことができる楽器です。

主に胴鳴りの低音部分とビーターのアタック部分に分けることができます。

  • 40~60Hz : シェル全体の残響音、低音エネルギーの塊。
  • 60~200Hz : キックボディ・ミート鳴り。
  • 200~2kHz : マッドな部分、この広い範囲の重要度は低いです。
  • 2k~4kHz : ビーターアタック。バチバチしたパンチを生み出す。



スネア・タム

スネア



スネアはEQで見ると非常に狭い範囲で瞬間的なエネルギーが生まれます。

スナッピーの高音部分も重要です。

  • 100~400Hz : ボトム。ほとんどのスネア・タムでこの範囲のどこかに中心ポイントがあります。
  • 400~800Hz : リングトーン。共鳴するポイントで、ここを削り過ぎるとスネアの立体感が失われます。
  • 2k~4kHz : アタック成分。ここを削ると抜けが悪くなります。
  • 4k~8kHz : スナッピー部分。スネアのトーンキャラクターを決める部分でもあります。



シンバル

シンバル


シンバル系のメインの部分は6kHz~とかなり高い部分で鳴ります。

ホワイトノイズのように音の隙間を埋めてくれる要素も持っているのが特徴。

  • 200~300Hz : クローズハットの芯の部分。削ってしまうことも。
  • 300~6kHz : 生楽器の暖かさ。こもりの原因にもなるのでやはり削る場合が多い。
  • 6kHz~ : シャンシャンしたシンバルにとっておいしい帯域。



ベース

ベース


キックとの兼ね合いを意識しながら、ローエンド部分は慎重にイコライジングします。

音楽ジャンルによって重要なポイントが変わりやすい楽器。

  • 40~80Hz : ボトム。もっとも難しいポイントなのでキックと相談しましょう。
  • 80~200Hz : ベースにとって一番おいしいポイントですが、最近だともう少し下。
  • 200~600Hz : 倍音ポイント。ここをブーストするとベースを認識しやすくなりますが、こもりの原因にも。
  • 600~2kHz : アタックポイント。ブーストすると粒立ちが良くなります。
  • 2k~5kHz : ストリングノイズ。金属音。



ギター

ギター



ギター特にエレキギターの持つ周波数帯域は非常に広いです。

他の楽器や歌と被りやすいので、しっかりとEQ処理を行いましょう。

  • 80~200Hz : ボトム。アンサンブルの場合はカットする必要があります。
  • 200~400Hz : 音の芯。6弦ルートの低音弦やブリッジミュート奏法を使う場合には非常に重要な帯域です。
  • 400~2kHz : おいしい帯域。ただしボーカルや他の楽器にとってもおいしい部分なので、どうしても削る運命に。
  • 2k~4kHz : 煌びやかさ。コードの明瞭度やエッジ感に影響します。
  • 4k~6kHz : エアー感。フィンガリングのタッチ感。



電子ピアノ・シンセサイザー

シンセサイザー


電子ピアノやシンセサイザーは音色がほぼ無限に出せるので、EQポイントは一概には言えません。

ただサウンドメイクの幅も非常に広いので、アンサンブル内では柔軟な立ち回りが可能といえます。

  • 25~40Hz : サブベース。ライブハウスやクラブの場合、聴くというよりは体で感じる帯域。
  • 40~80Hz : ボトム。ベースがいる場合はカットします。
  • 80~400Hz : 音の厚み。レイヤーされたシンセサウンドの場合濁りが発生しやすい帯域。
  • 400~2kHz : 存在感。シンセの役割にもよりますが、ブーストすると手前に張り付くような音に。
  • 2k~6kHz : 明瞭度。ギターと同じようにエッジ感や煌びやかさの調整。
  • 6k~16kHz : エアー。ホワイトノイズとして使用する場合にはシンバル系と似た役割に。



ボーカル

ボーカル


生身の人間から発する音なので、ミックス内で不安定な要素が多いにもかかわらず、音楽で最も重要なポジションを担っているパート。

EQ処理の難易度も一番高く、もちろん歌い手によって処理方法も変化します。

  • ~100Hz : マイク処理の音、振動、エアコン等、基本的にはノイズなのでカットしましょう。
  • 100~300Hz : 鼻が詰まっていたり、こもった声質の人はこの辺りで問題が起きやすいです。
  • 300~800Hz : 声の芯。多くのボーカリストの基音がこの辺りにいます。
  • 800~2kHz : 人の耳が一番音を認知しやすい帯域なので、ここに歌声を配置すると最も大きく聴こえます。
  • 2k~4kHz : 歌声の抜け感。ブーストしすぎると耳に刺さるような不快感があるので注意しましょう。
  • 4k~8kHz : 歯擦音。さ行で発生するノイズ。一般的にはディエッサーを使って削る帯域。
  • 8kHz~ : エアー感。声質に開放感を加えたい場合にシェルビングで持ち上げます。


ボーカルは部分的に飛び出した不快な音が発生していることが多いので、必ずノッチ処理を行うことをオススメします。

※ノッチ処理のやり方はこちらの記事内で説明しています。
EQ(イコライザー)を使って不要な音をカットしよう


以上、「ミキシングで役立つ楽器ごとのEQポイント一覧表【DTM】」でした。


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