ヒップホップビートの作り方【Beat Making】
世界の音楽シーンはHiphop一色となっており、最近では国内のHiphopシーンでも海外プロデューサーのType Beatを使用した楽曲が目立つようになってきました。
最近は音楽制作が身近になり「自分もDTMを利用してカッコいいビートを作りたい!」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はビート制作に必要な基本的な内容や、トラックメイクに役立つテクニックをいくつかご紹介。
ビートとは?
ビートとはリズムに重点を置いた非常にシンプルな伴奏で、ループ(繰り返し)を多用し、調性も曖昧なのでメロディックな主旋律よりも、ラップのようなスタイルとの相性が良いです。
基本的には一曲を通してループとアレンジの繰り返しで、アレンジが少なければリスナーは退屈になって聴くのを止めてしまう可能性があり、逆にアレンジが多すぎると印象に残りにくく、音楽の統一感も無くなります。
特にHiphopビートにおいてはループが多くなる傾向にあり、ラップも起伏が少ない為、常にビートに対して適切な変化を加えることがプロデューサーの腕の見せ所です。
ビートメイキングのやり方
主なビートメイキングの流れとしては以下の通りです。
- まず、作曲に必要なDAWや音源を用意します。
- 曲のテンポを決めます。
- リズムパターンを作ります。通常はドラムマシンなどを使って音を入力したり、MIDIデータを作成してドラム音を合成するなどして作成します。
- ベースを作ります。アンプからマイクで収音したり、MIDIを使って音を合成します。
- コードとメロディーを作る。ピアノやギターといった伴奏楽器を使ってコードを入力し、その上にメロディーを付けます。
現代のHiphopビートの主要楽器としてキック、スネア、ハイハット、パーカッション、ベース、メロディックエレメント等、が使われており、その中でも特にキックとベースがミックスの大部分を占めます。
→ビートメイクに必要な5つの機材【DTM】
これらすべての要素をリズミカルに絡ませて、メロディやコードハーモニーよりも、ノリのあるグルーヴを生み出すことを意識して組み立てることが重要です。
それでは具体的なビートの作り方について解説していきます。
キックとスネア
キックとスネアはビートの基盤を作ります。
キックはビート制作における重要パートであり、ダウンビートを鳴らし、表拍を強調します。
スネアはバックビートを強調し、一般的には4/4拍子の場合2と4で鳴らしますが、必ずしもそうであるというわけではありません。
このような4つ打ちはビートの基礎ですが、実際に現代のHiphopで使われることはほとんどありません。
実際にはよりシンプルな構成で、休符やゴーストノートを上手く取り入れて「リスナーにリズムをイメージしてもらう」という感覚でビートを作っていきます。
このような非常にシンプルなリズムパターンで構成し、リズムのすべてを提供しないことが重要です。
そうすることで自然と聴き手側は体を揺らして自分でビートをイメージすることになり、ノリのあるリズム感を生み出すことができます。
なるべくキックとスネアはミックス全体の中で一番手前になるように配置します。
リスナーは一般的なポップミュージックよりもよりリズムにフォーカスしてリスニングする為、細かいサウンドキャラクターやベロシティの設定に気をつかい、「リズム」に対しての深い知識も必要となります。
リズムの基礎知識
ハイハット
ビートの基盤を組んだら、次に高音域のパーカッションを使用して、リズムの輪郭を作ります。
ビート制作においては他のジャンルに比べてハイハットの重要度は高く、ビートのキャラクターを決定付けるポジションを担っているので、音色の選択やベロシティの設定までじっくりと時間をかけて作り上げましょう。
Hiphopでは高音域パーカッションにクローズドハイハットがよく使われ、アクセントとしてピッチアップしたハットやロール、オープンハイハットを使用します。
ハットを使いビートに全体的な「流れ」を作り、グルーヴ感をさらに強化しましょう。
ポップやロックミュージックではうっすら聴こえるぐらいのボリューム感で左右どちらかにパンニングしますが、Hiphopではキックとスネアと同じぐらいのボリューム感で、センターに配置することが多いです。
→ハイハットの5つのミキシングテクニック
ドラムセットに関しては以上となります。
808ベース
次にベースを使いコード感を足します。
Hiphopビートでは「808」と呼ばれる徐々に音量が減衰する歪んだサイン波がよく使用されます。
音域的にはサブベースと呼ばれるかなり低い音域を扱うことになるので、ローエンドのミックス処理の難易度は上がります。
→808ベースのミキシングテクニック【Hip-hop, Trap】
コード進行はとてもシンプルで、2コードや3コードを1曲通して繰り替えすようなパターンが多いです。
永遠にループだと少し退屈だと感じたときは、グラインドやオクターブ上のハイフレットを使用してアクセントを付けることもできます。
808ベースはローエンドを担当し、35~60Hzぐらいのかなり低い音域なので一般的な再生機器だとベースを認識できない場合もあるので、プロデューサーによってはミッドベースをレイヤーすることもあります。
コードとメロディー
ビートの土台となる部分ができたら、コードやメロディーといった上物を付けてビートを装飾します。
主にギターやピアノ、オルゴール、シンセPADを使いアンビエントな雰囲気を演出します。
現在のトレンドとしてハーフスピードエフェクトを使ったダークメロディと呼ばれるやメロディーや、レトロな雰囲気なエフェクト(RC-20 RETRO COLOR)を使用した汚れたサウンドがよく使われており、必須のテクニックなので是非とも習得しましょう。
まとめ
多くのHiphopソングにはこれらの要素に加えてラップボーカルが入ってくるので、そのことを考慮してしっかりとビートを単純化することと、ボーカルの入る隙間を空けておくことが大切です。
リスナーの意識はボーカルに集まるということを意識しながらビート制作を行うことで、グルーヴ感のある一貫したリズムを提供することができます。
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以上、ヒップホップビートの作り方【Beat Making】でした。
※YouTubeで詳しく解説しています。