パワーコードの弾き方と綺麗に鳴らすコツ
エレキギターの練習を始めたら、欠かせないコードの一つとして「パワーコード」があります。
パワーコードとはその名の通り、シンプルな響きを持った力強いサウンドが特徴で、ロックジャンルで使用されているコードです。
数あるコードの中でも最も演奏難易度の低いコードであり、同じ押さえ方ですべてのコードを網羅できる非常に便利なコードでもあります。
そもそもパワーコードってなに?
パワーコードとは、先述したようにロック、パンク、メタルなどの音楽でよく使われるコードの一種です。
ルート音と5度音(度数についてはこちら。)の2音で構成されるコードで、ルート音は6弦または5弦を使って、5度音は一つ高い弦(5弦か4弦)を使って演奏されることが一般的です。
例えば、Cをルート音とするパワーコードを弾く場合、Cの音を5弦3フレット、Gの音を4弦5フレットで弾くことになります。シンプルかつパワフルな響きが特徴で、オーバードライブやディストーションといった歪みエフェクトとの相性も良いです。
このフォームだけで色々なコードを押さえることができることから、特にパンクロックやメタルなどのジャンルでは、ギターリフとして使用されることも多いです。
パワーコードの弾き方
パワーコードを押さえる時には、大きく分けて2つの押さえ方があります。
一つは人差し指と小指を使って弦を押さえて、人差し指の先っちょと小指のお腹を使って余った弦をミュートする弾き方です。
もう一つは、人差し指と薬指を使う押さえ方です。
この2パターンに分かれるのですが、個人的には人差し指+薬指で押さえることをおすすめしています。
パワーコードのアレンジ方法
パワーコードで使える5つのアレンジテクニックでも紹介したように、パワーコードには色々な押さえ方のバリエーションがあります。
人差し指+薬指をおすすめした理由としては、薬指で押さえると小指が自由に使えるようになる為、アレンジの幅が広がるからです。
例えば、代表的なパワーコード+オクターブの押さえ方。
基本のパワーコードの形に、1オクターブ上のルート音を加えたものになります。こうすることでパワーコードとしての機能はそのままで、より音圧のあるサウンドを鳴らすことができます。
ほかにもパワーコード+9thや、オブリガード的なフレーズを弾くときにも、小指が自由に動かせるほうが幅が広がるのでおすすめです。
パワーコードの弾き方のコツ
パワーコードを弾くときのコツは以下の3つです。
- 余った弦をミュートする
- コードをかき鳴らす
- コードチェンジは押さえたまま
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 余った弦をミュートする
パワーコードに限らずですが、余った弦をしっかりとミュートして、余計な音が鳴らないようにすることはとても重要です。
僕が普段パワーコードを使う時には、通常通り指の先で6弦をミュートして、さらに追加で中指でも軽く触れてミュートしてます。
2. コードをかき鳴らす
パワーコードを弾くときには、押さえている弦だけを狙って弾くよりも、大きくガシガシ弾いた方が迫力のあるサウンドになります。
先ほどのミュート技術がとても重要になってくるので、まずはミュートをしっかりすることから初めてみましょう。
3. コードチェンジは押さえたまま
パワーコードは同じフォームのまま上下左右に移動することが多いですが、このときになるべく指を浮かさずに、横移動の場合は押さえたまま横にスライドするようにコードチェンジするのがコツです。
通常のコードではフォーム自体が変わるので、指を一度弦から浮かす必要がありますが、パワーコードはフォームが同じなので、そのまま移動させたほうが繋がりがスムーズに聞こえます。
パワーコードがよく使われるのはどうして?
最後の余談にはなりますが、パワーコードがなぜロックで多用されているのかについてお話しようと思います。
実際にエレキギターを練習するときに、自分の好きなアーティストのコピーをしたりすることが多いと思いますが、曲を弾いていると「パワーコード」が多いことに気づくかと思います。
ロックでパワーコードを頻繁に使う理由はいくつかありますが、ロックギターは歪ませて弾くことが主な要因です。
音が濁らないようにする
ディストーションをかけた状態で通常のコードを弾くと、倍音が複雑になりすぎて、何のコードを弾いているのか分からなくなります。
歪みをかけるときには7thや3rdの音を省略して、響きをなるべくシンプルにすることで、スッキリとしたディストーションサウンドを得ることができます。
メジャーでもマイナーでもない音
少し理論的な話になりますが、パワーコードはトライアドから3度の音を省略したコードです。
この3度の音というのはコードにとっては実はものすごく重要な音で、メジャーコードとマイナーコードを区別する音です。
つまり3度を省くということはコードの響きを不明確にし、メロディーやスケール次第で明るくも暗くもできるコードになるわけで、このどっちつかずなサウンドがロックたる由縁となっています。
ロックやパワーコードを使用する楽曲は基本的にダイアトニックコードで進行しているので、曲全体ではメジャーマイナーの判別はできますが、部分的にみると結構曖昧だったりします。
まとめ
パワーコードについてと押さえ方のコツについてでした。
押さえる難易度が低く、1つのフォームで12音すべてのコードが鳴らすことができる汎用性の高さが魅力なので、エレキギターを始めたら最初に覚えたいコードでもあります。
メジャーとマイナー感のない自由度の高さで、マイナーペンタトニック一発でほぼ乗り切れる手軽さも、ロックミュージシャンから愛される要因の一つです。
以上、「パワーコードの弾き方と綺麗に鳴らすコツ」でした。