プロ級のボーカルミックスを手に入れる!素人っぽさを避ける5つのミックステクニック
自作曲が完成して聴いてみると「プロの楽曲と比べると、なんだか素人っぽさが出てしまう…」ということはありませんか?
ボーカルミックスは、楽曲の印象を大きく左右する重要な要素です。特に音程を外すこともなく、完璧なボーカルレコーディングを行ったとしても、いざミックスしてみると違和感が出てしまうことがあります。
「素人っぽさ」の原因を理解し、適切な対処をすることでプロのような仕上がりを実現できます。今回は、素人っぽいボーカルミックスになる5つの原因と、それぞれに対する効果的な対処法をご紹介します。
1. ピッチ補正をしていない
「素人っぽさ」の原因の多くは、ピッチの不安定さとタイミングのズレです。プロ品質に近づけたい場合、専用のソフトウェアを使ったピッチ補正は、音楽制作やボーカル録音において非常に重要な要素です。
現代のプロ楽曲のほとんどは、このピッチ補正ソフトを使って歌声の微妙な音程のズレやタイミングが補正されており、音楽のクオリティや聴感を向上させています。
最近では「Melodyne」のような手頃な価格のソフトも多いことから、「歌ってみた」のような個人クリエイターの作品にも使用されています。
→【簡単MIX】歌ってみた動画を自分でミックスする方法
2. ハモりをつけていない
ハモりパートは、ボーカルの魅力を引き立て、ボーカルトラックに厚みと深みを与える重要な要素です。ハモりパートの作成は、ボーカル以外の楽器トラックに対しても使用される一般的な手法です。
ハモりをつけ方にはいくつかの方法がありますが、最も基本的なテクニックは、主旋律と3度間隔の音程でハモることです。特にサビのような盛り上がりが必要なセクションで効果を発揮し、ボーカルをより美しく、力強く聴かせることができます。
→ハモりとは?簡単なハモりパートの作り方
3. ボリュームバランスがおかしい
ボーカルトラックの音量バランスがおかしいと、ミックスの中で手前に飛び出したり、奥に引っ込んだりと不安定な印象を与えてしまいます。
ボーカルトラックはミックス全体でもっともダイナミクス(大きい音と小さい音の差)の振れ幅の大きいトラックの一つです。コンプレッサーによる過度な圧縮を回避する為にも、ある程度手動でボリュームオートメーションを書くか、Vocal Riderのようなプラグインを使って、全体的な音量の均一化を行いましょう。
これを行わないと、このあとのコンプレッサーを使って圧縮する工程で、多くのトランジェントを犠牲にすることになるので、パンチの無いこもったようなボーカルトラックになっていましまう可能性があります。
4. 歯擦音を放置している
歯擦音とは「さしすせそ」の発声時に多く含まれるノイズのことで、歯擦音がミックス内で強調され過ぎると、気が散ったり、聴き心地が悪くなったりすることがあります。
このようなノイズは、通常ディエッサーと呼ばれるプラグインを使って不要なノイズを処理します。ディエッシング処理は、ダイナミックEQの原理を使用して、問題のある周波数(通常は4kHz~10kHz)をターゲットとして、飛び出した瞬間にだけ低減することが出来る便利なツールです。
ディエッサーを使うことで、ボーカルトラックの全体的なトーンを改善し、よりプロフェッショナルな自然なサウンドを実現することができます。
5. 空間系エフェクトをかけていない
ボーカルトラックに空間系エフェクト(リバーブ、ディレイなど)を適切に使用しない場合、不自然なサウンドになってしまう可能性があります。
特にデジタル環境で制作された音楽は、リアルな空間表現を持たない傾向があるので、空間系エフェクトを使って反響音を付与することで、より自然な響きを実現できます。
さらに、空間系エフェクトはボーカルトラックをミックス全体になじませる効果もあります。カラオケでエコーを0にして歌うとボーカルが浮いているように感じることがあるかと思います。
正しくディレイやリバーブを設定することで、プロフェッショナルなボーカルトラックを手に入れることができます。
→クリアで立体感のあるミックスの為の5つのリバーブテクニック
まとめ
いうまでもなく、ボーカルトラックは音楽の中でもっとも注目されるポジションであり、楽曲に多くのエネルギーを注ぎ込むパートです。
しかし、生の歌声のオーディオ波形は、サンプル音源やシンセサイザー、エレキギター等の安定した波形と比べると不安定であることが多く、ミキシングの難易度は高めです。
最近では、自宅でボーカルレコーディングする機会も多いかと思います。今回の内容を参考にしながらプロフェッショナルなボーカルトラックを入手しましょう。
以上、「プロ級のボーカルミックスを手に入れる!素人っぽさを避ける5つのミックステクニック」でした。