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エレキギターをレコーディングする前に知っておきたい!高品質で録音する為の7つのポイント

エレキギターをレコーディングする前に知っておきたい!高品質で録音する為の7つのポイント

エレキギターはロックにとって不可欠な楽器であり、幅広いレンジを持っているため、ポップスのバッキング トラックとしても頻繁に使用されます。

最近ではレコーディング技術の進歩により、自宅で簡単にギターレコーディングを楽しむことが可能になりました。しかし、初めてレコーディングを始めると、自分が思っているような理想的な音質でギターを録音できないと悩む方も多いのではないでしょうか?

そこで今回はエレキギターレコーディングに役立ついくつかのテクニックについてお話します。

1. 機材選び

エレキギターレコーディングで良い音を目指すためには、機材選びが非常に重要です。ギター本体の品質はもちろん、アンプ、スピーカー、マイク、ケーブルなどすべての機材がレコーディング品質に影響します。

レコーディングというと、大きなミキシングコンソールや高価なハードウェアが必要だと思われる方が多いと思います。しかし、最近ではテクノロジーの急速な進歩により、今では「宅録」でも一昔前の「レコーディングスタジオ」レベルの音源が作れるようになりました。

「DAW」と呼ばれる作曲ソフトや「アンプシミュレーター」といった革新的なデジタル製品が出現して以来、実際の大きなギターアンプを用意することなく、本物のアンプで作成されたかのようなリアルなサウンドを簡単に入手することができるようになっています。

もちろんアナログ機器の良さもありますが、コストを抑えながら、幅広いプロフェッショナルなサウンドを手に入れたい場合は、これらの機材の選択が重要となります。

2. 音作り

音作り

レコーディングの前に、エレキギターのアレンジメントと、どのポジションに配置するか、どのようなサウンドにするかを決定することが重要です。

リードギターがメインのロックソングなのか、バッキングギターがメインのバラードソングなのかで、アレンジ、楽器の配置、求められるサウンドは大きく異なります。もし他者からの依頼であれば、音入れの際にクライアントと話し合うことをお勧めします。イメージに合った音像を再現できるように、リファレンストラックをリクエストすることも頻繁にあります。

アンプシミュレーターやギタープロセッサーを導入することでほぼ無限の音作りが可能なので、楽曲に合ったサウンドメイクをすることもギタリストとしての腕の見せ所です。

3. マイクの選択

アンプをギターレコーディング用マイクで録音する場合、マイクを通した音は実際に耳で聴くアンプから出た音とは異なるため、録音した音をモニターしながら確認する必要があります。

スタジオに常設されている「Shure SM57」は、1本でも素晴らしいギターサウンドを生み出すことができますが、レコーディングでは複数のマイクを使うことが多いです。複数のマイクを使用して録音する場合は、両方のマイクをずらして配置したり、アンプの背面に配置したり、アンプから遠ざけて配置したりできます。レコーディング中に両方のマイクを混ぜて確認し、位相を確認する必要があります。

また、複数のマイクでミキシングする場合は、どちらかのマイクのレベルを少し変えるだけでも、全体のトーンがガラッと変わるので、イコライザーを使用する前に、個々のトラックのバランスを変更して最適なサウンドに仕上げましょう。

マイキングのやり方

マイキングは奥が深いですが、最初はマイクをグリルから1~3センチ離して、スピーカーの中央とエッジ部分の中間を狙うようにしてみましょう。数センチ動かすだけでもサウンドが変化するので、マイキングした音をモニターしながら色々と試してみます。

マイキング

基本的には、コーンの中心を狙うほどギラギラとした明るい音になり、マイクをコーンの端に向かって動かすと徐々に丸みのあるマイルドな音色になります。マイクをアンプから遠ざけると、部屋鳴りも拾うことでエアー感が加わります。

スピーカーコーン

アンプのEQノブで調節する前に、マイクポジションによる音作りを色々試してみましょう。さらに、追加でマイクをもう一本設置して、アンプに近づけたオンマイクと部屋鳴りを拾う為に少し距離をとったオフマイクの2つのサウンドを上手く混ぜ合わせることで、高品質なギターサウンドをキャプチャすることが可能になります。

アンプのマイキングには、以下の3つの方法がよく使われます。

クローズドマイク

マイクをスピーカーの近くに配置することで、最も簡単かつクリーンな音質で録れます。

ダイナミックマイクは音圧の高い音源を収音するのに適しているので、物理的にも可能な限りスピーカーに近づけて配置することができます。

アンビエントマイキング

マイクをスピーカーから離して配置することで、アンプだけでなく部屋の音の反射をより多く含んだサウンドを録音できます。

マイクはコンデンサーマイクの使用をおすすめします。感度が高いので、スピーカーから距離が離れていてもサウンド品質が十分に保たれます。

グリルから約30cmほど離して、マイクをスピーカーのどの部分に向けるかによって音色が変化するので、実際に確認しながら配置してみましょう。

クローズド&アンビエントのブレンド

クローズマイクとアンビエントマイクを上手くブレンドすることで、2つのポジションの良い部分をキャプチャすることができます

マイクを2本設置する場合は位相の問題が発生する可能性があります。これを回避する為に、3:1ルールを適用することで位相トラブルを最小限に抑えることができます。

アンビエントマイクをクローズドマイクの3倍の距離に配置してみましょう。

4. オーディオインターフェイスの重要性

オーディオインターフェイスは、ギターからの電気信号をPC/Macといったコンピューターで処理できるデジタル信号に変換する役割を持っています。現在はコンピューターに取り込んで作業することがほとんどなので必須の機材となります。

優れたオーディオインターフェイスを使用することで、より高音質なレコーディングが可能になります。具体的には、ノイズの減少、音質のクリア化、ダイナミックレンジの拡大、周波数帯域の拡大等により、よりリアルで迫力のあるギターサウンドを録音することができます。

また、レコーディングの際は「レイテンシー」と呼ばれる演奏した音が出力されるまでの遅延時間が発生します。レイテンシーが少ないものや"ダイレクトモニタリング"機能のついたオーディオインターフェイスを使用することで、快適な演奏環境を実現することが可能になります。

【2024年最新】高品質ギター用オーディオインターフェイスおすすめ8選

5. ゲイン量の調整

ゲイン量をコントロールして、レコーディングの音量設定を正しく調整しましょう。ゲインとは、オーディオ信号の強さや音圧を表すものです。"ボリューム"と混同されがちですが、ゲインは入力信号をコントロールし、ボリュームは出力される電気信号をコントロール役割を持っています。

ギター録音の際のゲイン設定を正しく行うことで、「SN比」と呼ばれる信号とノイズの割合を最適化することができます。SN比とは、純粋なSignal(音声)と不要なNoise(ノイズ)の比率を表す指標で、値が大きければ大きいほど、ノイズが少なく純度の高い音源と言えます。

出典 : https://oes.ne.jp/data/snratio.html

レコーディング時にゲインが低すぎると、音源の信号が雑音に埋もれやすくなり、逆に高すぎると歪みやノイズが発生しやすくなります。適切なゲインを設定することで、クリアでノイズの少ないサウンドを得ることができます。

レコーディングを行う時に、アナログからデジタルへの変換やデジタル処理の段階で、信号がクリッピングしてしまうことがあります。特にボーカルのような音量差が大きくなりやすいトラックでは、適切なゲイン設定を行うことでこのデジタル歪みを防ぐことが可能です。

ゲイン設定を行う時には、ヘッドルーム(余裕のある範囲)を3dB~6dBほど確保するようにしましょう。ヘッドルームを確保していないと、後のミックスの段階でエフェクトをかけたりした際に不要なクリッピングが発生したりするリスクもあります。

6. リアンプを組み込む

リアンプ

リアンプとは、録音済みのギタートラックを取り出し、ギターアンプに送り返して再録音する方法です。例えば、ミキシング段階で他の楽器と混ぜたときにギターのトーンバランスが悪いと感じた時にも、最高のテイクを残したまま、音質のみを修正できるようになります。

オーディオインターフェースを通過した信号は、ギターアンプが受信する為に設計されている信号よりも高いレベルで送信されるため、効果的にリアンプするには「リアンプボックス」が必要になります。

7. 後でイコライザーで修正

イコライザー

エレキギターをミキシングするときに一般的に起こりやすい問題の1つは、広すぎる周波数帯域による他の楽器との住み分け問題です。

とはいえ、初めから住み分けを意識したサウンドにすると修正が難しくなことがあるので、レコーディングの際はギター本来のサウンドを収音して、録った後にDAWでイコライジング修正することをおすすめします。

修正方法としてはイコライザーによるカット、ハイパスフィルターを使用することで音被りを回避することが可能で、飛び出した音を抑えたり、約100Hz以下をハイパスフィルターでカットすることで不要な低音とノイズを除去することができます。

通常のEQだけだとエレキギターが持つおいしい帯域までカットしてしまう可能性があるので、必要であれば高品質なダイナミックEQサイドチェイン効果を利用して、必要最低限のカットに収める方法もあります。

まとめ

エレキギターのレコーディングでは、機材の選択、音の作り方、マイクの配置、オーディオ インターフェイス、ゲイン、リアンプ、EQ の調整など、多くのことを考慮する必要があります。これらの考慮事項を理解することで、自宅でも高音質なレコーディングをすることができます。

エレキギターは使用頻度の高い楽器の一つですが、アンサンブルの場合では幅広い帯域をいかにそぎ落として、他の楽器と競合しないようにするのかが重要です。

自分のスタイルや用途に合わせて、 最適なレコーディングで一段階上のトラックを目指しましょう。

以上、「エレキギターレコーディングに役立つ7つのヒント」でした。


エレキギターレコーディングに役立つ7つのヒント

ギターのレコーディング時に注意すべき6つのこと

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