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シンセサイザーで役立つ7つのミキシングテクニック

シンセサイザーで役立つ7つのミキシングテクニック

シンセサイザーは多彩な音色と、幅広い音域を特徴とする楽器なので、他の楽器と競合しないように正しくミックスする必要があります。

シンセサイザーは単体で演奏したり、バンドのようなアンサンブルで演奏、リードパート、伴奏パート等、色々なポジションを担当することが多いので、役割ごとに最適なミックス方法は変化します。

そこで今回は、シンセサイザーのミキシングに関する基礎的なテクニックについてご紹介します。

1. 音色を決める

キーボード プリセット

「シンセサイザー」と一言にいっても、ハードウェア、ソフトウェアタイプがあり、それぞれたくさんのボタンやつまみを使って音作りができます。アコースティックピアノやオルガンといった生楽器の音はもちろん、その他にもアナログ、デジタル楽器を含む膨大なサウンドライブラリが収録されています。

自分の演奏スタイルやパートの役割を考えて、まずはこの膨大なサウンドライブラリの中から、自分の演奏する音楽に合った、最適な音色を見つけ出すことが最も重要といえます。

音色が見つかったら、他の楽器との兼ね合いを考えて、どのようなボイシングアレンジでどの音域にキーボードパートを配置するのかも決定する必要があります。

バンドにおけるピアノ、キーボードアレンジの方法【バンドアンサンブル】


2. 音量バランスを取る

次に、音量バランスをとってミックス内にうまく馴染むように整えます。EQを使った周波数ごとの音量バランスや、コンプレッサーでのダイナミクスコントロール等に多くの時間を費やしてしまいがちですが、フェーダーを使って音量バランスを取ることはミキシングの基礎です。

シンセサイザーに限ったことではありませんが、楽器の役割に応じて適切に音量バランスが取れていないと、いくらエフェクトを使って処理したところで最終的なトラック品質の向上には繋がりません。

トラックインサートにエフェクトを挿す前に、まずはたっぷりと時間をかけてボリュームフェーダーを調節して、最適な音量を探してみてください。

ミキシングの3大要素【音量・定位・音質】について

3. ステレオポジションを決める

パンニング

パンニングとはステレオ空間の中のどこに楽器を配置するかを調節するツールのことで、パンを左に振ると左側のスピーカーから出力され、反対に逆に振ると右側から出力されます。

ハードウェアシンセサイザーをライン入力で録音した場合は、立体感を持たせる為にステレオイメージャーエフェクトを使う必要があるかもしれません。

MIDIキーボードを使ってDAW内の音源を使う場合は、ピアノロール画面でノートごとにPANを振ることもできるので、より立体感のある演奏が可能です。

ステレオ音像を大きく広げる為のミキシングテクニック

4. 必要のない音域をカットする

シンセサイザーは非常に広い周波数帯域レンジを持っている楽器です。他の楽器と被りやすいので、不要な帯域をカットしないと、すぐにトラック全体は濁ってしまい、他の楽器とのマスキングによる「こもり」が発生してしまいます。

シンセサイザーをどの帯域に配置させるかを決めて、必要のない音域は他の楽器に譲って、しっかりと分離させることが大切です。音域のカットには、通常はEQ(イコライザー)と呼ばれるツールを使い、100Hz以下にローカットを入れたり、ボーカルと重なる部分でピーク処理します。

エレキギター EQ


カット処理をすると、シンセサイザー単体で聴くと物足りないサウンドになっているように感じますが、ミックス全体を見て、しっかりと他の楽器スペースと住み分けをすることで、解像度の高い音圧のあるトラックが手に入ります。

5. ダイナミクスレンジを整える

ダイナミクスレンジとは大きい音と小さい音との差のことをいい、実際にシンセサイザーを人が演奏するような場合は、音量の振り幅が大きくなりがちです。

コンプレッサーを使った圧縮はデメリットも多いので、トラックに対して圧縮が必要かどうかは、シンセパートの役割を考えて慎重に判断する必要があります。

ダンスミュージックのシンセサイザーのような伴奏としての使う場合には、コンプレッサーを使って圧縮することで、良い結果が得られやすいです。

コンプレッサーの基本的な使い方

6. イコライジング処理

イコライジング

シンセサイザーはサウンドメイクの幅が広いので、適切なEQ処理が必須となります。特にアンサンブル内では他の楽器と競合しやすいので、EQ処理をして正しく配置することが重要です。

楽曲やスタイルによって最適なEQ設定は異なりますが、基本的な帯域ごとの役割を理解することで、イコライジングに役立ちます。

  • 25~40Hz : サブベース。ライブハウスやクラブの場合、聴くというよりは体で感じる帯域。
  • 40~80Hz : ボトム。ベースがいる場合はカットします。
  • 80~400Hz : 音の厚み。レイヤーされたシンセサウンドの場合濁りが発生しやすい帯域。
  • 400~2kHz : 存在感。シンセの役割にもよりますが、ブーストすると手前に張り付くような音に。
  • 2k~6kHz : 明瞭度。エッジ感や煌びやかさの調整。
  • 6k~16kHz : エアー。ホワイトノイズとして使用する場合にはシンバル系と似た役割に。

特に25~120Hzくらいまでは、ローエンド部分はベースとキックが存在します。キーボードで低域を担当していない場合には、ハイパスフィルターでカットして、他の楽器に譲った方が良い結果が得られやすいです。

中音域は、シンセサイザーにとっておいしい帯域ではありますが、ボーカルがいる場合には慎重に音作りする必要がある帯域でもあります。

イコライザー(EQ)の使い方を徹底解説【DTM】

7. 空間系エフェクト

リバーブ

一般的に空間系エフェクトには、リバーブディレイに加えて、モジュレーション系(コーラス、フランジャー、フェイザー)などがあり、特定の空間再現やミックスのステレオイメージを変化させるエフェクトです。

大ホールでピアノ演奏しているかのような壮大な反響音をシミュレートしたり、やまびこのような音の跳ね返りを生み出すことで、リードサウンドに奥行きを加えることができます。

シンセサイザーの音色と相性の良い空間系エフェクトですが、音像がぼやけてしまったり、ミックス全体が濁る原因にもなるのでやりすぎには注意しましょう。

まとめ

他の楽器に比べて色んなサウンドと幅広い音域がシンセサイザーの大きな特徴です。

実際にミックス作業に移る前に、どんな音色を鳴らすべきか?どのような効果が必要か?ということについてあらかじめ決めておくことで最終的なサウンドがイメージしやすくなります。

キレのあるリードシンセ、もしくはまろやかなパッドサウンド、サウンド傾向によってミックスの内容も大きく変化します。今回ご紹介した内容と、自分の音楽の方向性を考慮して、最適なシンセサウンドを作り上げましょう。

以上、「シンセサイザーで役立つ7つのミキシングテクニック」でした。


シンセサイザーをアレンジする時に役立つ6つの打ち込みテクニック

シンセサイザーの音色を強化する為の5つのテクニック

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