ギターリバーブで壮大なミックスを手に入れる方法
ギターリバーブは1960年代の初めにスプリングリバーブがギターアンプに搭載されてから、ギタートーンに必須のエフェクトの一つとなっています。
各音楽メーカーから様々なリバーブ製品がリリースされており、現在はギタリストのみならず、エンジニア、プロデューサー等が色んな種類のリバーブプラグインを所有しています。
今回はDAW上でギターミックスする際に役立つリバーブテクニックについてご紹介します。
1. ドライで録音しておく
ライン録りでギターを録音する時でも、アンプにマイクを立てて録音する場合でも、基本的にはギターをドライ音(エフェクト無し)で録音することで、その後のミキシングの自由度が高くなります。
もちろん、お気に入りのエフェクトペダルがあったり、既にミックスの全体像を正確に理解している場合にはウェット(リバーブ有り)の状態で録音しても問題ありません。
制作のアイディアが固まっていない場合は必ずエフェクト無しでレコーディングしておいて、後から必要に応じてDAW側でリバーブをかけるのが最も安全です。
ギターだけに限らず、ベースやボーカルの場合でも基本的にはドライ録音しておくと自由度は上がります。
2. リバーブ音にエフェクトを適用する
リバーブ信号をAUXチャンネルに送ることでリバーブ音のみに対してエフェクトをかけることができます。
リバーブの後に挿入するエフェクトとしてEQ、コンプレッション、サチュレーション、さらにモジュレーションなどを使用することで、さらにクリエイティブなリバーブキャラクターを付加することができます。
ギターを何本か重ねて録音する場合にも、まとめてAUXチャンネルに送ることでCPU負荷を軽くしたり、同じ場所でレコーディングしたような効果が期待でき、空間表現に統一性を持たせることができます。
→リバーブの種類とその効果について
3. ディケイタイムに注意する
リバーブパラメーターの中でもDecay(ディケイ)は最も重要です。
ディケイはリバーブプラグインでシミュレートされた空間サイズを決定するパラメーターで、リバーブ音がどれくらいの時間をかけて消えていくかを決定します。
設定値はリバーブを使用する目的や、曲の種類、テンポによって異なるので一概にはいえませんが、注意すべきことは長いリバーブテールが重なり合って、ミックスが濁ってしまうことです。
特にバンドサウンドのようなアンサンブルをミキシングする場合、一度にたくさんのリバーブを使うこともあるので、それぞれのリバーブテールがどれだけ重なっているかに注意する必要があります。
一般的には曲のテンポが速いほど、ディケイを短くするとクリアなミックスが手に入ります。
→クリアで立体感のあるミックスの為の5つのリバーブテクニック
4. ローカットする
ギターにリバーブをかける場合は、リバーブ信号の低音をカットしてしまったほうが良い結果が得られやすいです。
特にバンドアンサンブルでベースがいる場合は、不要な音被りを避ける為にも低音の処理が必要になってきます。
→リバーブエフェクトのやってはいけない!5つの間違った使い方
リバーブプラグインのEQコントロールを使うことで、ミックスを濁らせる可能性のあるリバーブ信号の不要な周波数をカットすることができます。
重要なのは、低域と中低域の周波数の一部をカットすることです。
ギター本体を80~100Hzでカットしていることが多いので、もう少し上の150~300Hzぐらいからローカットをかけるとかなりスッキリとしたギタートーンが得られるので試してみてください。
ローカット以外にも、プリディレイを設定することでもリバーブ音の開始を遅らせることができるので、ドライ音に対しての音被りを避けることができます。
5. ワイドに広げる
ライン入力されたギター信号は基本的にはモノラルなので、単一のギタートラックの音像を広げたい場合にリバーブを利用する方法もあります。
最近のリバーブプラグインだと、セパレーションコントロールが備わっている製品も多いので、これを有効にするとリバーブ音を簡単に左右に広がげることができます。
→リバーブVSTプラグインおすすめ7選【DTM】
ステレオ感を表現する目的ではなくても、リバーブ音を左右に広げることはドライ音とウェット音の分離にも繋がるので、ミキシングにおいて非常に効果的です。
ピンポンディレイと組み合わせることで、さらに音像空間を広く使えるので試してみてください。
まとめ
ギターリバーブで壮大なミックスを手に入れる方法について解説しました。
- ドライで録音しておく
- リバーブ音にエフェクトを適用する
- ディケイタイムに注意する
- ローカットする
- ワイドに広げる
特にリバーブサウンドを他のエフェクトで処理することで、より多彩な空間表現が可能になります。
リバーブはギターにとって非常に効果的なエフェクトであることは間違いないですが、やりすぎるとギターをミックスの奥に引っ込めてしまうデメリットもあるので、耳で確認しながら慎重に適用しましょう。
以上、「ギターリバーブで壮大なミックスを手に入れる方法」でした。