ハイスペックEQ(イコライザー)VSTプラグインおすすめ16選【DTM】
EQ(イコライザー)は特定の周波数をブーストしたりカットしたりして、全体の音質の補正に使用されます。
ミキシング作業に必須のエフェクトで、各メーカーから多くのEQプラグインが販売されていますが、価格・音質・機能面でみても様々で、自分の制作環境に合った高性能EQプラグインを見つけることは重要です。
今回は高品質、多機能なモノを中心におすすめEQプラグインをいくつかご紹介します。
EQ(イコライザー)の役割
イコライザーは、特定の周波数のラウドネスを調整するソフトウェアです。
イコライザーは元々、映画館や屋外エリアなど、音響を考慮して設計されていない物理的な場所で、すべての音の周波数を「イコライズ」=均一化するために開発されました。
スマホスピーカー、カーステレオ、ライブハウス、フェス等様々なリスニング環境に合わせて、なるべく均等に聴こえるようにイコライザーを使って特定の周波数をカット、またはブーストすることで整えます。
その他にも不要な音をカットしたり、楽器同士の音被りを回避するために使用されたりと、用途は広いです。
EQ(イコライザー)の種類
イコライザーには様々な種類があります。それぞれに異なる機能、目的、サウンド特性があるので、ジャンルや使用用途に合わせて選択する必要があります。
DTMのようなデジタル環境の音楽制作で使用される最も一般的なタイプのEQは、パラメトリック、セミパラメトリック、ダイナミック、グラフィック、シェルフEQです。
この中でも高性能なパラメトリックEQとダイナミックEQの使用率が高く、ほとんどのエンジニアのプラグインリストに入っているといっても過言ではないです。
パラメトリックEQ
パラメトリックイコライザーは、音楽制作で使用される最も一般的で用途の広いタイプのEQです。
このマルチバンドイコライザーは、自由に動かせるトークンとフィルタータイプで完璧に調整可能な周波数帯域を提供します。
各周波数帯域の中心周波数、レベル、帯域幅を高精度で制御可能です。
ダイナミックEQ
ダイナミックイコライザーは、パラメトリックイコライザーに圧縮や動的制御を組み合わせたプラグインです。
一瞬飛び出した不要な周波数帯域に反応して自動的にカットすることができるので、余分にカットされることがなく、サウンド全体のシェーピングをより細かく制御できます。
ボーカル等の変動しやすい波形の処理に適しており、さしすせその「歯擦音」の処理に使われるディエッサーもダイナミックEQの一種です。
EQ(イコライザー)の選び方
実際にEQプラグインを購入を検討している際には、以下のポイントを考慮しながら選ぶようにしましょう。
1. 機能と操作性
EQプラグインには、シンプルなものから高度な機能を備えたものまでさまざまな種類があります。自分の編集スタイルに合った機能を持つプラグインを選ぶことが重要です。また、初心者の場合には、使いやすいインターフェースや直感的な操作性の製品であることも考慮しましょう。
2. 周波数帯域の範囲
EQ製品ごとにの周波数帯域の制御できる範囲が異なります。一般的なデジタルEQは、高音から低音まで広い範囲の調整が可能ですが、製品によっては周波数帯域の数や制御範囲に差があります。扱う音源やミキシングに適した制御範囲を持つプラグインを選びましょう。
3. サウンド特性
EQごとにそれぞれ独自のサウンドキャラクターを持っています。透明性の高いクリアサウンドを提供する一方で、特定の音色やカラーリングを加える製品もあります。自分のニーズや好みに合ったサウンド特性を持つプラグインを選びましょう。
4. CPU負荷と互換性
EQプラグインは、CPUに負荷をかけることがあります。特に複数のプラグインを同時に使用する場合や、動的なタイプのEQを使用する場合には、コンピューターにかかる負荷に注意が必要です。また、プラグインが使用するフォーマットが、自分が使用しているDAWやOSと互換性があるかも確認しましょう。
5. ユーザーレビューと評価
EQプラグインを選ぶ際には、他のユーザーのレビューや評価を参考にすることも有用です。プラグインの性能や音質、サポートなどに関するフィードバックを確認して、プラグインを選ぶ際の参考にしましょう。
EQプラグインを選ぶ際の基本的なポイントです。これらの要素を考慮しながら、自分のニーズに合ったEQプラグインを見つけることが重要です。
それではここから、ハイスペックEQ(イコライザー)VSTプラグインおすすめ製品を紹介していきます。
Fabfilter Pro Q3
- プロの使用率が高い
- 高性能・多機能
- ダイナミックEQ
世界の一流のエンジニア、プロデューサー達が多く使用しているデジタルEQの最高峰。
非常に見やすいGUI(ユーザーインターフェイス)でアナライザーを見ながら操作できるので初心者でも直感的に使えます。
ダイナミックEQやマスキング帯域、ピークチェック等、便利な機能も豊富なので、これ1台持っていればとりあえず安心なEQです。
Fabfilter Pro Q3
SSL Native X-EQ 2
- 究極のSSL EQ
- クリアで美しいサウンド
- リアルタイム周波数分析
世界各国のスタジオ等で幅広く導入されているコンソールで知られている「Solid State Logic」発のデジタルイコライザー。
このX-EQ 2は、オーディオ プロフェッショナル向けの究極のSSL EQツールキットとして支持されており、Solid State Logic独自のアルゴリズムに基づいて構築されており、驚くほどクリアで美しいサウンドを提供します。
高度な設定が可能な24バンドEQプラグインで、価格を気にしないのであれば、間違いなく最高峰のイコライザーの一つです。
SSL Native X-EQ 2
Weiss EQ MP
- プロ仕様
- クリアで原音に忠実
- 広い処理範囲
SoftubeとWeiss Engineeringのコラボにより開発された「Weiss EQ MP」は、プロフェッショナル仕様に磨き上げられた高品質イコライザーです。
伝説的な「Weiss EQ1」が持つミニマムフェイズアルゴリズムに基づいて構築され、他のイコライザーを凌駕する音質を実現するためにEQ MPは設計されました。
7つのフルレンジEQバンドを持ち、-39から+18dBのカット/ブーストレンジが備わっていて、Qレンジは0.2-650 で処理が可能です。
Weiss EQ MP
oeksound soothe2
- 共鳴音の除去
- 直感的な操作
- 原音を維持
Soothe2 はダイナミック方式を取り入れた非常に高性能なイコライザーソフトウェアです。
問題のある共鳴周波数を瞬時に特定し、自動的にカットしてくれます。これにより、初心者でもスムーズでバランスの取れたサウンドが得られ、周波数を手動で特定、カットする必要がなくなります。
周りの周波数領域に影響を与えることなくカットすることを得意とし、カットが必要なときに特定の場所でのみ適応されます。余計な低減を無くすことで、音源のトーンが維持され、不快な共鳴音が最小限に抑えられたクリアな処理を得ることができます。
oeksound soothe2
SSL Fusion Violet EQ
- スタジオ品質
- 実機エミュレーション
- ナチュラルなトーン
SSL Fusion Violet EQは、30万近くする実機ハードウェアプロセッサからの2バンドシェルビングEQをエミュレートした製品で、その信頼度の高いサウンドはプロも唸るSSL品質を提供します。
慎重に選択された周波数、レスポンス、ゲイン制限により、直感的に素早く簡単にイコライジングを施すことが可能です。
音の輪郭やボディをしっかりと鳴らしたいといった、トッププロデューサーの高いニーズに答えるべく、DAW付属のEQでは不可能な高度なイコライジングを可能にします。
SSL Fusion Violet EQ
Smart : EQ 2
- AI機能搭載
- Mid/Side処理
- カスタムプロファイルの保存、共有
AIテクノロジー搭載の画期的なEQ「Smart:EQ2」
オーディオ素材を分析し、カスタムフィルターカーブを生成、自然な響きの音バランスに整えてくれます。
最新の直感的なインターフェース設計により、オーディオ制作ワークフローを改善します。
音質を犠牲にすることなく、短時間でミキシングの目標を達成でき、M/S処理にも対応しています。
カスタムプロファイルを保存し、個人で作ったライブラリを友達や作曲パートナーに転送することも可能です。
Smart : EQ 2
iZotope Ozone 9 Match Equalizer
- リファレンス音源解析
- 多くのエフェクトを搭載
- マスタリングにもおすすめ
「Ozone 9」を購入しないと使用できないのが残念ですが、Ozone 8に搭載されていたリファレンス機能がEQ単体にも使えるようになりました。
プロの楽曲の周波数を分析して自分の楽曲に取り入れることができるのでイコライジングが苦手な初心者の方でも安心して使えると思います。
EQの為だけにOzone 9を購入というのは少しハードルが高いですがマスタリングソフトの購入を考えているのなら狙ってみる価値はあります。
iZotope Ozone 9 Match Equalizer
Eventide SplitEQ
- トランジェント/トーンスプリット
- よりクリエイティブなEQ
- 複雑なミックスに対応
SplitEQは8バンドの高度な音楽フィルターを備えたパラメトリックEQです。
トラックやオーディオ信号のブースト、補正、調整、エンハンスに優れていて、他のEQソフトよりもクリエイティブなツールとして利用できます。
Eventideの強力な「Structural Split」エンジンにより、入力ソースを個別のTransientストリームとTonalストリームに送ることで、複雑なミックスにも対応することが可能です。
SplitEQ
Sonnox Claro
- 3つのインターフェイス
- 万能型
- マスキング・共鳴音の高度な処理
Claroは、作曲から最終ミックスまでの制作プロセスに柔軟に対応する万能EQプラグインとして機能します。
3つの異なるインターフェイス(Produce、Tweak、Mix)を使用して、より深い周波数観測と高い精度を追加し、音の濁り、ノイズ、耳障りなトーンを除去することで、プロジェクトをクリアでバランスの取れたミックスにするのに役立ちます。
マスキングや共鳴音を必要な量だけ取り除くことに長けているので、まとまりのあるサウンドやエッジの効いたシャープなサウンドに仕上げたい場合に最適です。
Claro
SoundRadix SurferEQ2
- 高精度ピッチトラッキング
- リアルタイムに調節可能
- 倍音バランスの維持
SURFEREQは、さまざまな楽器やボーカルトラックを対象として、選択したバンドを音楽に合わせて移動させる、画期的なピッチトラッキングイコライザープラグインです。
各バンドの周波数を音楽の変化に応じてリアルタイムで適応させることで、自然な倍音バランスを維持し、ノートに応じて音源ソースとなる音色を調整することができます。
1年以上かけて、事実上オクターブ誤差のない正確なリアルタイムのピッチ検出エンジンの研究と開発が行われ、高精度なピッチトラッキングが可能となっています。
SoundRadix SurferEQ2
MAutoDynamicEQ
- 先進的なユーザーインターフェイス
- 万能型
- アップデート生涯無料
EQ市場で最も先進的な機能を多く搭載したパラメトリックEQ「MAutoDynamicEQ」は、独自のテクノロジーで他のイコライザーにはない、多用途フィルターで自然なサウンドを提供してくれます。
統合されたアナライザーとソノグラムにより、オーディオ素材の構造をすばやく確認でき、ハイパスフィルターとローパスフィルターは、6dB / oct〜120dB / octのスロープが設定可能。
簡単にプロフェッショナルな音源にしてくれるMAutoDynamicEQは非常に用途が広く、ミキシングからマスタリングまですべてに役立ちます。
MAutoDynamicEQ
Waves PuigTec EQP-1A / MEQ-5
- アナログの質感
- スタジオ品質
- ロックとの相性抜群
Waves社からリリースされているアナログEQ。
PuigTec実機のモデリングで、世界中のレコーディングスタジオ使用されている定番EQです。真空管によるGain回路を使っているので通すだけでも音が太くなるので特に生楽器との相性は抜群です。
名プロデューサー所有の銘機EQP-1A、MEQ-5を再現されており、数々のヒットソングのレコーディングで聴けるトーンが入手できます。
Waves PuigTec EQP-1A / MEQ-5
Pulsar Audio Pulsar 8200
- 伝説的なGML 8200を再現
- デジタルとアナログの利点
- 自然なサウンド
Pulsar 8200は、伝説的なGML 8200を忠実にエミュレートしたプラグインソフトです。フルEQコントロールは今でこそ一般的ですが、当時は画期的でした。
Pulsar 8200は、オリジナルと同様に、タイトでソリッドな低域、輝きのある高域、そして周波数スペクトルの精密なコントロールを提供します。
完全なオンスクリーンカーブエディターとスペクトラムアナライザーが付属しているので、クラシックとデジタルの両方の利点を生かしたEQプラグインです。
eiosis AirEQ
- 素早いイコライジング
- 新しいバンド帯域
- 低CPU負荷
AirEQは、音響的にも技術的な観点から想定したあらゆるケースにおいて優れた性能を発揮するイコライザーとして開発され、シンプル設計、直感的なUIで簡単操作が可能な高性能なイコライザープラグインです。
「Character」と「Strength」パラメーターや超高域と超低域の「Air」と「Earth」バンド。これまでにない機能を搭載したAirEQは数々のユニークなデザインの元に設計されています。
透き通るようなサウンドと優れた位相特性、ゼロレイテンシーのプロセッシングや低CPU負荷などの特徴が、一切の妥協を排除した理想のイコライゼーションを可能にします。
eiosis AirEQ
TDR SlickEQ M
- マスタリング用
- 直感的なインターフェイス
- 高度な機能性
TDR SlickEQ M(Mastering Edition)は、オーディオマスタリングエンジニア向けの高性能ステレオフォニックイコライザーです。
直感的なインターフェースと豊富な機能を備え、音楽的な柔軟性と高いオーディオ品質を提供します。ハイパスフィルターやローパスフィルターなどの幅広いフィルター制御と、パラメトリックEQバンドによる正確な倍音、音色、ステレオイメージの調整が可能です。
非線形性やオートゲイン機能など、高度な機能も備えており、入力信号のスペクトルをピンクノイズリファレンスを照合する信号分析オプションも利用できます。
TDR SlickEQ M
Soundtheory Gullfoss
- オーディオ信号を自動解析
- リアルタイム分析機能
- 迅速な処理
Gullfossは、オーディオ信号を分析して、どの音を抑制または強調すべきかを自動認識する独自の「計算聴覚モデル」を搭載した高性能イコライザーです。
リアルタイム分析機能を使って、どの周波数帯域が競合してユーザーの注意を集めているかを分析することが可能で、多大な時間と経験が必要となる周波数トラブルを、迅速かつ正確に修正することができます。
個々のトラックにアクセスすることなく、さまざまな音源ソース間で起こっているバランスの問題を修正することもできます。
Soundtheory Gullfoss
まとめ
ハイスペックEQプラグインソフトをいくつかご紹介しました。
- Fabfilter Pro Q3
- SSL Native X-EQ 2
- Weiss EQ MP
- oeksound soothe2
- SSL Fusion Violet EQ
- Smart : EQ 2
- iZotope Ozone 9 Match Equalizer
- Eventide SplitEQ
- Sonnox Claro
- SoundRadix SurferEQ2
- MAutoDynamicEQ
- Waves PuigTec EQP-1A / MEQ-5
- Pulsar Audio Pulsar 8200
- eiosis AirEQ
- TDR SlickEQ M
- Soundtheory Gullfoss
悩んでいる方には、個人的には「Fabfilter Pro Q3」をおすすめします。
プロのエンジニアやプロデューサーから圧倒的な支持を得ており、シェア率も非常に高いのでチュートリアル動画も豊富です。
EQはとても重要なツールなので、クオリティの高い製品を一つ所持しているだけでミックスクオリティも向上することは間違いないです。
特定の周波数をブースト&カットできる便利なツールですが、間違った使い方をするとデメリットも多いので、イコライザー(EQ)の使い方を徹底解説【DTM】を参考に、使用するトラックに合わせて最適な方法で使用しましょう。
以上、ハイスペックEQ(イコライザー)プラグインソフト12選【DTM】でした。