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ギターボーカルの音作りに役立つ7つのヒント

ギターボーカルの音作りに役立つ7つのヒント

ギターボーカルは、メインボーカルとリズムギターの二つの役割を担う重要なポジションです。両方を最高の音で鳴らす為には、ギターとボーカルが干渉し合わないよう適切なサウンドメイクが必要になります。

間違った音作りをしてしまうと、ボーカルがギターの音に埋もれて聞こえなくなってしまったり、自分の声が聞き取れずに歌いずらい…という状況になってしまう可能性もあります。

そこで、今回はギターボーカルの音作りに役立ついくつかのヒントについて解説します。

1. ギターとボーカルのバランスを考える

ギターボーカルにとって最も重要なポイントは、ギターとボーカルの音量バランスの調整です。この段階でギターボーカルの音作りの8割が決まると言っても過言ではありません。

ギターとボーカルの音量バランスが偏っていると、聴き手はどちらか一方に意識が集中してしまいます。特にギターの音量が大きすぎると、ボーカルが聞こえづらくなり、歌詞が聞き取れないという問題が発生するので注意が必要です。聴き手はボーカルにフォーカスして音楽を聴いていることが多いので、あくまでボーカルをメインとして、ギターを伴奏ポジションに配置するのが最適です。

また、歌手の声質によっても適切な音量バランスは異なります。例えば、高音域に特徴があるボーカリストの場合は、ギターに埋もれることなく声が抜けてきやすいので、ギターの音量を少し上げることができます。

2. アンプの設定

アンプ設定

歌声にマッチした最高のリズムギターの音色を手に入れるために最初にすべきことは、アンプの設定値にこだわるということです。エレアコでもエレキギターでも、普段利用しているアンプのEQダイアルやゲインをすべて12時の方向にして、フラットな設定してから音作りの作業をスタートするようにしましょう。

ニュートラルな位置から音作りを始めることで、音の変化に敏感になることができます。実際にサウンドメイクをするときはTREBLE、MIDDLE、LOWのつまみを一度に変更するのではなく、一つずつ耳で変化を感じながら調節すると目的のサウンドに近づけることができます。

ゲイン量を決める

ゲイン量とボリュームの設定を行います。音楽ジャンルによって正しいゲイン量は異なりますが、比較的激しめのロック系の場合でも歪ませすぎないということに注意しながら調節します。

激しい歪みは音の芯を潰して、倍音が大きく膨れ上がることでコードの明瞭度を失ったり、耳障りなハイが飛んでしまいます。クリーントーンの場合でもある程度ゲインを上げないと音のハリが無くなってしまうので、歪み始めるポイントを見極めて正しいゲイン量に設定しましょう。

トーンコントロール

ゲイン量と音量が決まったら次にEQコントロールのつまみを使って目当ての音質に近づけます。

  • PRESENCE
    超高音 : 最終的な高音部分のニュアンス。エアー感や煌びやかさに影響。
  • TREBLE
    高音 : ジャキジャキとしたエッジ感。カットしすぎるとこもります。
  • MIDDLE
    中音 : 一番おいしい部分。ボーカルや他の楽器にとっても重要な周波数。
  • LOW
    低音 : コシのあるサウンドに。ブリッジミュートのズンズンした部分。
  • RESONANCE
    超低音 : ベースの領域と被るのでアンサンブルで使用することは少ない。

伴奏となるリズムギターでは中音を広くカットすることで相対的にハイとローがブーストされた、いわゆる「ドンシャリ」と呼ばれるサウンドが好まれます。中音域をカットすることでボーカルとの被りを回避して、自然と伴奏に必要な周波数帯域が持ち上がってくるので便利です。

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3. ボーカルに合わせて音質を整える

ボーカルの邪魔をすることなく、リズムギターはあくまで伴奏ポジションで鳴っていることが好ましいので、音が鮮明にはっきり聴こえる必要はありません。特にボーカルのような、他にメインとなるパートが存在する場合は、邪魔にならないような音質を目指して正しくイコライジング(音質調整)することが重要になります。

例えば、ボーカル入りのロックアンサンブルのような場合では、先述した「ドンシャリ」のように、ボーカルの為に中音~中高音域をカットすることで音を後ろに引っ込める効果があります。

イコライジングの一例

ただ、他の楽器に帯域を譲ってばかりだとエネルギーのない弱々しいバッキングトラックになるので、反対にギターにとっておいしい4kHz周辺をブーストしてみたりして、全体でバランスの取れたサウンドを目指すようにすることがポイントです。

4. ボーカルのEQマップ


上の図は、簡易的なボーカルサウンドのEQポイントです。表記されている効果以外にも、例えば16kHz辺りのエアー感の部分にはヒスノイズが含まれていたり、200Hzのこもり部分は、男性ボーカルにとっては声の「太さ」に関わってきたりと、複数の要素が混ざっていることもあるので注意しましょう。

明るさ部分をブーストして歯擦音も一緒に持ち上がってしまうこともあるので、EQによる強調やカットを行う際には、周辺の要素にも配慮しながら操作することが重要です。

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5. ローカット処理を施す

ローカット

バンド形態でベースがいる場合には、バッキングギターに対してローカット処理を行うことで、低音楽器との住み分けができます。ローカットのついたエフェクターやDAWを使用する場合にはパラメトリックEQに備わっているハイパスフィルターを使って、100Hz以下ぐらいからごっそりカットしてみましょう。

こうすることで無駄な低音が無くなり、ベースやキックといったエネルギーの強い低音楽器との音被りを避けることができるので、抜けの良いスッキリとしたバッキングトラックになります。

男性ボーカルのような中低音域が強調される歌声の方にも、適切にローカット処理を行うことで、ノイズやこもった感じを取り除く効果があります。

6. コンプレッサーで圧縮する

コンプレッション

コンプレッサーエフェクトを正しく使用することで、ダイナミクス(音の大小)やトランジェント(音の立ち上がり)のコントロールが可能になり、ボーカルを前面に配置したり、リズムギターを一歩後ろのポジションに配置することができます。

特にアコースティックギターのようなクリーンサウンドのギターは音量にバラつきが出やすく、奥に引っ込んだり、手前に出てきたりとミックス内での距離感がフラフラと動いてしまがちなので、正しく圧縮することで良い結果が得られやすいです。

同じようにボーカルも音量のバラつきを抑えて、適切にコンプレッションをかけることで一番手前のポジションに安定して配置することができるようになります。

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7. リバーブで馴染ませる

リバーブを付加することで、大ホールでライブしているかのような壮大なサウンドにすることができます。それ以外にも歌声をオケに馴染ませる効果もあるので、ギターボーカルのような楽器+ボーカルの場合にリバーブは必須のエフェクトの一つです。

リズムギターに使用する場合は、耳で聴いて分からないぐらいうっすらかけて、ローカットをかけるとすっきりとした自然なリバーブ効果が得られます。

心地良いのでついたくさんかけてしまいがちですが、あまり深くかけるとこもったり他の楽器に干渉しやすくなるので注意しましょう。

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まとめ

ギターボーカルの音作りに役立つ7つのヒントは以下の通りです。

  1. ギターとボーカルのバランスを考える
  2. アンプの設定
  3. ボーカルに合わせて音質を整える
  4. ボーカルのEQマップ
  5. ローカット処理を施す
  6. コンプレッサーで圧縮する
  7. リバーブで馴染ませる

ギターボーカルの音作りは、ギターとボーカルがそれぞれ独立した音ではなく、互いに調和し、相乗効果を生み出すようにバランスを取ることが重要です。

今回の7つのポイントを意識しながら、実際に音作りを繰り返し行うことで、自分だけの理想的なギターボーカルサウンドを見つけてみてください。

以上、「ギターボーカルの音作りに役立つ7つのヒント」でした。


バッキングギターの音作りに役立つ7つのヒント

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