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小室進行とは?J-POPやアニソンで欠かせない魔法のコード進行

小室進行

小室進行とは?J-POPやアニソンで欠かせない魔法のコード進行

コード進行は音楽の全体的な流れと楽曲のイメージを決定するために欠かせない重要な要素の一つです。

中でもJ-POP黄金期と呼ばれた90年代ヒット曲に多用されている「小室進行」と呼ばれるコード進行は、日本人の耳にも馴染みの良い進行で、現在でもボカロやアニソンのようなエレクトロ系の楽曲では頻繁に使用されています。

そこで今回は「小室進行」の作り方や、その特徴についてご紹介します。

小室進行とは?

小室進行とは、90年代に一世を風靡した名プロデューサー「小室哲哉氏が生み出した多くの楽曲に使用され、愛用されていたコード進行です。

Greeeen「愛唄」、AKB48「フライングゲット」、黒うさP「千本桜」等、数々の日本のヒットソングに使用されており、J-POPを制作する人ならば必ず押さえておきたいコード進行の一つです。

コード進行の王道パターンに含まれ、Let It Be進行やカノン進行と並んで世界的にも人気のあるコード進行として広く浸透しています。

小室進行の作り方

小室進行はディグリーネームでいうと「Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ」になり、キーCメジャーだと「Am→F→G→C」となるコード進行のことです。

4コードからなるシンプルなコード進行です。再生してもらうと「あー!この感じね!」となると思います(笑)ちなみに最後のCは上昇させるのがベターです。

ダイアトニックコードのマイナー(Ⅵm)からスタートするコード進行で、トニックの代理コードとして、または平行調のAmのトニック(Ⅰm)から始まっているので、独特の切ない感じが特徴的です。

メジャーキーだけどポップな感じではなく、切なさを織り交ぜたいときには非常に効果を発揮するコード進行で、久石譲の「Summer」がまさにこのコード進行の雰囲気を象徴する楽曲です。


小室進行を使うとなぜ名曲になるのか?

このコード進行の中の「VIm」と「I」のコードは、音楽理論的には先述したトニックという機能を持つコードになります。

トニックコードはダイアトニックコードの中でも安定した響きを持ったものとされ、トニックで始まりトニックで終わることで、短い中にもしっかりとしたストーリー性が生まれます。

さらにケーデンスと呼ばれる「トニック→サブドミナント→ドミナント」のコード進行の最小単位とされる構成になっているので、誰が聴いても納得する安心感のある進行となっています。

小室進行をアレンジする

そのままでも十分素晴らしいコード進行ではありますが、非常に多くの楽曲に採用されている為、人によってはありきたりな印象を受ける可能性があります。

実際に小室進行を使用する際に、効果的なアレンジ方法をいくつかご紹介します。

セブンスアレンジ

セブンスコードは通常のトライアドに1音を追加する4和音構成となり、少し都会的なおしゃれな印象になるので、ジャズのようなジャンルで多用されているコード進行です。

3和音の状態よりも響きが複雑になり、おしゃれな雰囲気になっているのがわかるかと思います。

4和音の場合は最後のCコードを下げた方がトップノートのB音が浮かないので、個人的にはこちらの方が好きです。

オンコードアレンジ

最後のトニックのあとにルート音を半音下げることで、スムーズに移行していく流れです。


これは特にロック系でよく使われるアレンジで、テンポの速い楽曲で小室進行をループさせて使用したいときに効果的です。

最後のトニックに戻る直前にG/Bコードを挿入することで、ベースラインの繋がりがより自然な形になり、より疾走感を演出することができます。

小室進行を使用した楽曲

TM NETWORK - Get Wild

J-POPの定番として「小室進行」が認知されるきっかけになった楽曲です。

コードの流れはG#m→E→F#→B

H Jungle with T - WOW WAR TONIGHT

小室哲哉と浜ちゃんのコラボ楽曲。ここぞというときには小室進行が登場しています。

コードの流れはGm→E♭→F→B♭→F

Greeeen - 愛唄

王道J-POPとして人気の高い「愛唄」にも小室進行が使用されています。

コードの流れはFm→D♭→E♭→A♭→E♭。コードの頭に戻るときにドミナントコードを経由する流れになっています。

AKB48 - フライングゲット

人気アイドルの楽曲にも小室進行が使用されています。

コードの流れはCm→A♭→B♭→E♭

黒うさP - 千本桜

ボカロ系をはじめとするエレクトロ楽曲にも多く使用されています。

コードの流れはDm→B♭→C→F

まとめ

小室進行はポップス・ロックなどでよく使用されている別名「6451進行」と呼ばれるコード進行と同じです。

このコード進行を使うことでメロディーも自然と日本人の耳馴染みの良いメロディーになりやすいので、ここぞという場面で使用してみてはいかがでしょうか。

以上、「小室進行とは?J-POPやアニソンで欠かせない魔法のコード進行」でした。


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