リバーブVSTプラグインおすすめ12選【DTM】
音楽制作の世界では、リバーブは重要な要素の一つです。リバーブは、音に深みと空間感を与える効果を持ち、デジタル環境のDTMプロデューサーにとって欠かせないツールの一つです。
リバーブには、コンボリューションリバーブ、プレートリバーブ、ホールリバーブなど、さまざまな種類があり、それぞれのタイプごとに独特の音質や特徴があります。
リバーブを選ぶ際には、自分の好みの音質や、作りたいサウンドをイメージすることが大切です。また、リバーブの種類によってCPUへの負荷が異なるので、自分のパソコンのスペックも考慮する必要があります。
2023年現在でも、様々な最新リバーブエフェクトがリリースされており、今回は高品質なリバーブプラグインのおすすめ製品をいくつかご紹介します。
音楽制作におけるリバーブの役割
リバーブとは簡単に言うと空間で音が発生したときに発生する残響音のことです。
通常音波が発生すると全方向に送信され、壁や地面、天井で反射し、音が減衰して最終的に消滅するまで反射を繰り返します。
もちろんDAW等のようなデジタル環境の場合は音の反響がない為、そのままだと非常に不自然なサウンドに聴こえてしまう場合があります。
それを回避する為にもリバーブプラグインを使って現実空間の反響音をシミュレートすることで、違和感のないリアルなサウンドを再現することが可能になります。
リバーブエフェクトの種類
現代のプロダクションでは通常、デジタルリバーブ(ハードウェアユニット、またはソフトウェアプラグイン)を使用して、ミキシングによる空間表現が施されています。
プラグインタイプのリバーブの場合、主にアルゴリズムタイプとコンボリューションタイプ、またはその両方を兼ね備えたハイブリッドタイプが一般的です。
DTMで使用される、主要なリバーブタイプは以下の通りです。
- アルゴリズムリバーブ
- コンボリューションリバーブ
- ホールリバーブ
- ルームリバーブ
- プレートリバーブ
- スプリングリバーブ
アルゴリズムリバーブ
アルゴリズムリバーブは、テクノロジーを駆使した一連の計算(アルゴリズム)を通じてリバーブをシミュレートします。
数学的に反射を作成することにより、実空間の音を模倣することが可能で、他の方法では作成できない新しい音響環境を設計したりできます。
現実ではありえないような宇宙空間のようなサウンドや異次元のような特殊な空間も再現可能です。
コンボリューションリバーブ
コンボリューションリバーブは、IR(インパルスレスポンス)またはサンプリングリバーブとも呼ばれ、インパルス応答を処理することによってリバーブを作成します。
アンプシミュレーター等でも使用される技術で、実際の部屋で再生された音、または機材を通して再生された音を録音したものです。
空間の完全な音響特性をトリガーするため実際の空間にいるかのようなリアルな音質が特徴です。
→クリアで立体感のあるミックスの為の5つのリバーブテクニック
ホールリバーブ
ホールリバーブは、広大なコンサートホールやキャセドラルなどの大きな空間の響きを再現するリバーブエフェクトです。ホールリバーブは一般的に残響時間が長く、音に豊かな奥行きと広がりを与えます。
ホールリバーブは、音が壁や天井、床などの表面で反射し、それらの反射音が次々と重なることで響きが生まれます。この反射音のパターンとタイミングを再現することで、実際のホールの響きをエミュレートします。
オーケストラや合唱団の演奏のように広い音場が必要な場合や、壮大な音楽制作や映画のサウンドトラックなどに頻繁に使用されます。
ルームリバーブ
ルームリバーブは、スタジオやライブ会場などの一般的な部屋の響きを再現するリバーブエフェクトです。その名前からも分かるように、リバーブ効果を与える空間が比較的小さく、残響時間も短めです。
ルームリバーブは、音が部屋の壁や床、天井などの表面に反射し、そこで反射音が再び反射し、さまざまな方向からの反射音が交わることで響きが生まれます。この反射音の組み合わせによって、自然でバランスの取れた響きが実現されます。
ルームリバーブは、特にボーカルや楽器の録音によく使用されます。
プレートリバーブ
プレートリバーブは、金属のプレートを使用して音を反射させることでエフェクトを生成するリバーブエフェクトです。後述するスプリングリバーブとは異なり、金属板で構成されています。
音がプレートに送られると、プレートの表面に取り付けられたトランスデューサーが音を振動させます。振動した音は、プレート内部で反射してリバーブ効果が生まれます。プレートから出力された音が録音された音源に加わり、豊かでウォームな響きを生み出します。
プレートリバーブは、特にボーカルや楽器の録音に使用されることが多く、自然で鮮明なリバーブ効果を与えます。
スプリングリバーブ
スプリングリバーブは、音を金属のスプリングによって反射させることでエフェクトを生成するリバーブエフェクトです。スプリングリバーブは、ギターアンプやスプリングリバーブユニットなどで広く使用されています。
スプリングリバーブの原理は、音がスプリングに送られ、スプリングの両端に取り付けられたトランスデューサーによって振動が起こります。スプリングから出力された音が録音された音源に組み込まれることで、独特で明瞭な響きを生み出します。
→リバーブの種類とその効果について
リバーブプラグインの選び方
リバーブプラグインを選ぶ際に考慮すべきいくつかの要素があります。プラグイン選びのためのポイントは以下の通りです。
- 効果の種類と特性
リバーブプラグインには、ホール、プレート、ルーム、スプリングなど、さまざまな種類のリバーブがあります。それぞれの特性や音質を比較して、自分のプロジェクトに合うものを選びましょう。 - 音質
リバーブの音質は非常に重要です。自然でリアルなサウンドを再現できるプラグインを選ぶことが重要です。製品動画やレビューを通じて、プラグインがどれだけ自然な響きかを確認してください。 - パラメータの操作性
プラグインの操作性も重要な要素です。使いやすいインターフェースや直感的な操作方法を備えたプラグインを選ぶことで、リバーブ音の調整やカスタマイズがスムーズに行えます。 - CPU負荷
リバーブプラグインは、数あるエフェクトの中でもCPUにかかる負荷が高いタイプのプラグインです。特にリアルタイムで使用する場合は、CPU負荷が低いプラグインを選ぶことで、安定したパフォーマンスを確保できます。 - 予算
最高の作品にする為には、リバーブ以外にもさまざまな機材やプラグインが必要かもしれません。予算に合った価格帯のプラグインを選ぶことも重要です。
これらの要素を考慮しながら、制作のニーズや予算に合ったリバーブプラグインを選ぶことが重要です。実際に購入を考えている場合は、まずはプラグインのデモ版を試してみたり、他のユーザーのレビューや意見を参考にしてみましょう。
おすすめリバーブプラグインソフト
ここから、リバーブVSTプラグインおすすめ製品をご紹介していきます。
Fabfilter Pro-R
- リアルタイムのスペクトラムアナライザー表示
- 6バンドEQ搭載
- 精密な空間モデル
プロデューサーやサウンドエンジニアから絶大なる支持を得ているFabfilter社製のリバーブエフェクトです。
機能、ビジュアル共に非常に優れており、リバーブの仕組みがいまいち良く分からないという初心者の方でも、直感的に操作できるのでオススメです。
精密なノブ、MIDIラーン機能、作業のアンドゥ/リドゥ、A/Bスイッチ、スムースなパラメーター変更、サンプルの正確なオートメーション、その他多くの革新的な機能を搭載。
Fabfilter Pro-R
iZotope Neoverb
- 様々なリバーブモード
- AIプロセッシング
- 便利なアシスタント機能
Neoverbは、Exponential Audioの有名なリバーブ エンジンを搭載しています。クラシックなスタジオハードウェアからインスピレーションを得たExponential Audioリバーブは、高品質のアルゴリズムとリアルなルームサウンドを提供することで人気があります。
Neoverbには、ホール、プレート、ルームなどの異なるリバーブモードが用意されています。それぞれのモードは、独自のアルゴリズムとプリセットを備えており、幅広いリバーブ効果を実現します。
さらに、Reverb Assistantと呼ばれる機能によって、音源の特性に基づいて最適なリバーブ設定を自動的に生成することができます。Reverb Assistantを使うことで、初心者であってもより迅速なワークフローを手に入れることができます。
iZotope Neoverb
Valhalla Plate
- クラシックなプレートリバーブ
- 12種類のモードを搭載
- コーラストーンも生成可能
Valhalla Plateは、クラシックなプレートリバーブサウンドのアルゴリズムを取り入れたリバーブプラグインです。
12のプレートモード搭載で、それぞれに独自のカラーリング、キャラクター、ステレオプレゼンスがあります。Predelay、最大30秒のDecay、Size、Width、およびEQの各コントロールにより、豊富なリバーブシェイプを形成することができます。
コーラススタイルのLFOモジュレーション使用することで、サウンドに厚みを増すこともできます。
Valhalla Plate
Eventide Tverb
- リアルな空間表現
- 3つのマイクを設置
- CPU負荷が軽い
「Tverb」 (ティーバーブ) は、トニー・ヴィスコンティのプロデュースによってデヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」のサウンド・メイキングを復元をしたルーム・シミュレート・リバーブ・プラグインです。
3つのリバーブと、マイクの指向性の選択とコンプレッサーでの圧縮を備えたマイク1と、調整可能なゲートを備えたマイク2と3があります。
象徴的なエフェクトをリクリエイトするだけでなく、新たなサウンドエフェクトを制作を可能とする機能も追加されています。
ステレオマイクロフォンを使い空間表現の幅を広げ、 まるでマイクを持ってホール内を歩き回っているかのような音作りを可能にします。
Tverb
Zynaptiq Adaptiverb
- AIデジタル技術
- 原音が濁らない
- ミックス、マスタリングに最適
こちらのAdaptiverbは、反響音に依存しない革新的なリバーブ・プラグインです。
従来の反響に基づく音響空間モデリングとは異なり、原音を不明瞭にすることなく、音の深さ、倍音の豊かさ、滑らかなテイルを付加します。
ミックスの解像度とダイレクトさを保ち、サイズ、まとまり、ボデュを与えるので、ミキシングやマスタリングなどの用途に最適です。
Adaptiverb
2CAudio Aether
- 受賞歴を持つリバーブプラグイン
- 豊富なファクトリープリセット
- 多機能
Aetherは、受賞歴を持つ高品質の自己変調アルゴリズムリバーブです。
Aether1.0は2009年に業界を席巻し、市場をリードするネイティブアルゴリズムプラグインとして音楽、映画、テレビ、ゲーム制作で多く使用されており、その伝統的なリバーブアルゴリズムは、世界中のリスナーが日常的に耳にしています。
豊富なプリセットと多くのノブを備えたAetherは、33の空間モデルと最大120秒のディケイタイム、周波数シェーピング、モジュレーション、テールエンベロープ等含み、リバーブ信号を高度に制御することができます。
2CAudio Aether
Nugen Audio Paragon
- コンボリューションリバーブ
- リアルな空間表現
- 高品質なプリセット
Paragonは、クラシックなアルゴリズムリバーブの柔軟性とコントロールを備えたコンボリューションリバーブとして機能し、微調整機能を備えた現実空間に近いリバーブを提供します。
洞窟のような空間、教会、風通しの良い部屋、地下のクラブなど、実際に存在する空間を慎重にキャプチャされています。プリセットの数はそれほど多いわけではありませんが、これらの高品質なリバーブプリセットは十分な品質を保証します。
様々な空間のインパルスレスポンスがプリロードされていますが、これらの空間サイズ、減衰レベル、周波数減衰、明るさを再編集して独自のリバーブを作り出すこともできます。
Nugen Audio Paragon
Baby Audio Crystalline
- 次世代のリバーブアルゴリズム
- 300以上のプリセット
- テンポ同期機能
Crystallineは、強力なアルゴリズムによってLexiconスタイルのモダントーンを提供する、次世代のアルゴリズムリバーブプラグインです。
これまでにない最先端の技術と、創造的なコントロールを提供することで、独自の反響音を生み出すことが可能で、300を超える高品位のファクトリープリセットが搭載されています。
Crystallineでは、リバーブのアタックとディケイタイムをDAWのテンポにシンクロさせることができます。これにより、反響音が自然と音楽と同期する為、よりクリーンなミックスを得ることができます。また、「Sync/MS」スイッチを押すことで、手動でミリ秒単位で設定することもできます。
Baby Audio Crystalline
Eventide Blackhole Reverb
- 特殊な音色
- つまみ設定を保存、呼び出し可能
- 残響音を持続させる「Freeze」機能
同じくEventide社のBlackholeは、ウルトラハーモナイザー空間系エフェクターの定番機種のDSP4000からH8000に搭載されていたエフェクトで、近年Stompboxシリーズの「SPACE」に含まれているBlackholeと名付けられたモジュレーションリバーブをプラグイン化したリバーブプラグインです。
少し操作方法が特殊ではありますが、 下段の「KILL」スイッチではインプットの音をミュートしたり、「HOT SWITCH」でそれぞれのパラメーターの値を保存して瞬時に呼び出すことができ、「FREEZE」でリバーブサウンドを鳴らし続けることができたりと、基本的な操作以外にも便利な機能が搭載されています。
Eventide Blackhole Reverb
sonible smart:reverb
- 数秒でカスタム仕立てのリバーブ
- 幅広いスタイルのリバーブマトリックス
- 多彩な調整オプション
smart:reverbはAI搭載のリバーブプラグインであり、ワンクリックでソースマテリアルをすばやく分析し、すべてのリバーブをゼロから作成します。
リバーブを入力信号のスペクトルおよび時間特性にカスタムフィットすることにより、マスキングや濁りの原因であるリバーブテールなどの典型的なリバーブの問題が最初から回避されます。
リバーブの構造が分かりやすいインターフェイスにより、周波数とディケイの減衰率、およびリバーブの広がりまたは密度のエンベロープを変更することで、リバーブの深い構造を簡単に操作できます。
sonible smart:reverb
SP2016 Reverb
- シンプルな操作性
- 奥深い残響音
- 近代音楽に合う
SP2016 Reverbは1983年にリリースした、ハードウェア・ユニットを再現したリバーブ・プラグインです。
Room、Stereo Room、Plateの3種のリバーブアルゴリズムに加え、それぞれのサウンド特徴をモダンにアレンジしたモードも3パターン搭載。
非常にシンプルなインターフェイスで、直感的な操作を実現しています。
シンプルでありながらも空間の奥行き感の表現に定評があり、特に現代のHiphopのような音数の少ない音源に対して、力を発揮します。
SP2016 Reverb
Dear Reality EXOVERB Micro
- 8つの音響シーン
- 直感的な三角パッド
- 手頃な価格
EXOVERB MICROは、EXOVERBと同じ独自のリバーブエンジンを搭載したコンパクトなオーディオプラグインです。このプラグインは、ステレオミックスに広がりのあるリバーブ効果を追加することができます。
専門的に作成された8つの音響シーンから選択することができ、デジタルなDTM環境であっても本物に近い反響サウンドを実現することができます。また、直感的な操作が可能な三角パッドを使用してミキシングプロセスを効率化し、残響の伸び、初期反射、ドライ信号のバランスを調整することができます。
没入感の高い強化された空間距離知覚により、ステレオでも現実的な奥行きを持つ没入型サウンドフィールドを生成することができます。
Dear Reality EXOVERB Micro
まとめ
リバーブプラグインのおすすめを12製品ご紹介しました。
- Fabfilter Pro-R
- iZotope Neoverb
- Valhalla Plate
- Eventide Tverb
- Zynaptiq Adaptiverb
- 2CAudio Aether
- Nugen Audio Paragon
- Baby Audio Crystalline
- Eventide Blackhole Reverb
- sonible smart:reverb
- SP2016 Reverb
- Dear Reality EXOVERB Micro
どんなジャンルにも対応できて、万能な性能を求める方にはFabfilter Pro-Rをおすすめします。
初心者にも扱いやすく、海外の人気プロデューサーやエンジニアも多く使用していることから、信頼度も十分です。
以上、リバーブプラグインおすすめ12選でした。
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