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ボカロ曲を作り始めるときに必要な機材と簡単な作曲手順

Vocaloid

ボカロ曲を作り始めるときに必要な機材と簡単な作曲手順

「ボカロPになりたいけど、どんな機材が必要なの?」「ボカロ曲ってどうやって作るの?」と悩んでいませんか?

ボーカロイドと呼ばれる歌声合成ソフトウェアを使用することで、歌に自信の無いクリエイターであっても、ボーカリストに歌入れを依頼することなく、ボーカルトラック入りの音楽制作をすることができます。

作曲家やDTMクリエイターにとって、ボカロ曲の制作は独自のアイデンティティを形成し、ボカロファンとのコミュニケーション手段としてとても魅力的です。

今回は、これからボカロ制作を始めようと思っている方向けに、ボカロ曲を作り始めるときに必要な機材と簡単な作曲手順について解説します。

ボカロ曲とは?

ボカロ
ボイスライブラリとエディターソフトが必要

ボカロこと"VOCALOID"は元々はYAMAHAが登録、開発した歌声合成技術のことであり、他社からも様々な歌声合成ソフトがリリースされていますが、今ではそれらすべてをひっくるめて「ボカロ」として呼ばれています。

これらの歌声合成ソフトは、キャラクターの声データを収録したボイスライブラリとメロディーや歌詞を入力する為のエディターソフトの2つで構成されています。

ボイスライブラリには「初音ミク V4X」「IA」「巡音ルカ」があり、エディターソフトには「Piapro Studio」「VOCALOID Editor For Cubase」などがあります。そして、これらの歌声合成ソフトを使用した楽曲を「ボカロ曲」と呼び、制作者のことを「ボカロP」と呼びます。

ボカロ曲を作るのに必要な機材

まずは、ボカロ曲を作るために必要な機材をご紹介します。

自分の作曲スタイルやジャンルなども考慮しながら、予算に合った製品を買い揃えていきましょう。

1. コンピューター

コンピューター

ボカロ制作にはDTM用のコンピューターが必要になります。ソフトウェア音源の読み込みやオーディオデータの取り扱い等、数GB単位のデータを処理しなくてはならないこともあるため、快適に制作を進めるには余裕のあるリソースが必要です。

DAWの使用に慣れてくると、動作が重い音源を何種類も立ち上げながら作業を進めることが多くなってくるので、高い負荷にも十分に耐えられるコンピューターであることも大切です。

システム要求はソフトウェアごとに異なるので、必ず確認してから、それらに見合うスペックのコンピューターを導入しましょう。

2. 作曲ソフト(DAW)

DAW

ボカロPとして活動を始めるにはコンピューターDAWと呼ばれる作曲ソフトが必要になります。

「初音ミク」などの歌声合成ソフトは、外部プラグインとしてDAW上で起動させて利用するので、DAWは必須となります。ソフトによってはWindowsのみ対応といった製品もあるので、購入を検討している方は必ず動作環境を確認しておきましょう。

「初音ミク V4X」のように、ソフト1つで基本的な音楽制作ができるようにDAWエディターソフト音源ソフトが付属している製品もあるのでおすすめです。


3. VOCALOIDソフトウェア

ボカロ エディターソフト

先述したように、ボカロ制作にはボイスライブラリとエディターソフトが必要です。代表的なものにはVOCALOIDやSynthesizer V、Cevio AIなどがあります。

ボカロソフトウェアは、男性、女性、力強い声、甘い声など、製品ごとに異なる声質やキャラクターを持っています。特定のプロジェクトや楽曲ジャンルに合った声質を選ぶようにすることで、より曲に合った歌声を入手できます。

※購入するときにはボイスライブラリとエディターソフトの互換性に注意しましょう。例えば、VOCALOID歌声ライブラリに同梱の「通常版 Piapro Studio」では、NT歌声ライブラリは使用できません。

このように製品によっては互換性のないものもあるので、公式サイトからチェックするようにしましょう。

4. MIDIコントローラー

midiコントローラー

ボカロは基本的には打ち込みによる制作がほとんどなので、MIDIコントローラーがあると非常に便利です。

音符を打ち込んだり、リズムトラックを作成するのにあると便利なツールで、MIDIコントローラー無しでも作曲は可能ですが制作効率に大きく影響します。

MIDIをコントロール機器の中でもMIDIキーボードコントローラーが一般的に使用されている印象で、ほかにもリズムトラックの打ち込みに便利なMIDIパッドが付いている製品もあります。

5. オーディオインターフェイス

オーディオインターフェイス

オーディオインターフェイスは作曲時にギター、マイク、モニタースピーカー等をデバイスと接続するために必要な機材です。

ボカロPのように自宅ですべての楽器レコーディングや編集を行うクリエイターにとって、オーディオインターフェイスを手に入れることで、制作品質や利便性を向上させることができます。

最近だと1~2万円台の製品でも十分な品質なので、高性能で安いオーディオインターフェイスを1台導入しておきましょう。

5. モニターシステム

スピーカー

モニターシステムは音楽制作時の正しい音量バランスの確認や、ミックス品質の確認の為のツールです。

通常はモニター専用のスピーカーヘッドホンのどちらか、または両方を選択しますが、自宅であまり大きな音を出せない環境の方にはスタジオ用ヘッドホンをおすすめします。

「とりあえずボカロPとして曲を作ってみたい!」といった方は必須の項目ではありませんが、リスニング用のイヤホンやPC純正スピーカーだと正しいバランスを取ることは難しくなります。

簡単なボカロ曲の作り方

ボカロ曲でも、基本的にはDAWを使った一般的な音楽制作の方法と同じです。

ドラムトラック→ベース→伴奏楽器(ギター、シンセサイザー)→メロディー(ボカロ)が楽曲制作における基本構成です。

もちろんジャンルによって、楽器を追加したり、さらにシンプルなものもあるので、自分の好きな既存曲を参考にしながら曲を作ってみましょう。

1. 参考にする楽曲を見つける

リファレンス楽曲を探す

ここから実際に作曲をする流れを解説していきます。

これからDTMを始めるという初心者の方は、まずは人気の楽曲や自分の好きな曲を参考にして、真似をしながら作ることをオススメします。

「え?それってパクりじゃないの?」と思われるかもしれませんが、プロの作曲家の方達も「リファレンスをとる」といって、完成系のイメージに近い既存の楽曲を参考にしながら作曲することはよくあります。

※あきらかに複製された作品だったり、メロディーや歌詞を真似してリリースすることは、著作権違反にあたる可能性があるので注意しましょう。

2. コードを進行を調べる

参考にする楽曲が決まったら、その曲のコード進行を調べます。

邦楽ならU-FRETで調べればほとんどの曲は出てくるのでオススメです。過去にコード進行の王道パターン5選【派生コードも紹介】という記事も書いたので、こちらも参考にしてみてください。

もちろん進行にアレンジを加えてもいいですが、分からない方はもろパクりしてしまっても特に問題はありません。※コード進行自体には著作権はありません。

コードの構成音が分からない場合は「〇〇コード 音階」とかでググれば出てくるので、それを見ながら打ち込んでいくか、DAWによってはコード作成の為の補助機能も搭載されているので、それらを活用しましょう。

打ち込みに使用する楽器ですが、どのDAWにもピアノ音源はもとから付属しているので、はじめはピアノを使って打ち込んでいってみましょう。→ピアノ打ち込みをよりリアルに近づける方法【DTM】

もちろん楽器が弾ける方は伴奏楽器をライン入力で録音する形でもOKです。

3. メロディーを作る

メロディー

コードを作ったら、いよいよボカロを使ってメロディーを作っていきましょう。音楽のどのパーツから作り始めるかはクリエイターによって様々ですが、始めての方は、コード→メロディーという流れがおすすめです。

メロディーの作り方【音を外さない方法】でも説明しましたが、はじめはコードに含まれている音を使ってメロディーを打ち込んでいけば、かなり安定したメロディーになります。

理論的に作るのもいいですが、出来ればコードを流しながら鼻歌で感覚的に作っていく方法のほうがオリジナリティが出るのでおすすめです。

歌詞を作る

メロディーが完成したら、歌詞を流しこんでいきます。ボカロエディターでは、音符に直接言葉を打ち込んでいけるので、直感的な歌詞作成が可能です。

歌詞の作り方は、言葉の引き出しやセンスによる部分が大きいので一概にはいえませんが、メロディーの流れに合うように、言葉数や語呂が良い言葉をチョイスしながら作成するのがコツです。

4. ベースを加える

ベースは、音楽を支える低音部分を担当する楽器です。コードとメロディーで楽曲のイメージが出来上がったら、コードの下にベースを加えて低音部分を強化しましょう。

リスニング中にあまりフォーカスされないこともあり、初心者の方はベーストラックを軽視しがちですが、ベースを加えるだけで楽曲全体の安定感が格段に向上するので、ベーストラックは非常に重要です。

作り方は簡単で、コードを打ち込んだときの一番下の音をコピーしてそのまま使います。

ベースの作り方

慣れないうちはこの「ルート打ち」を意識することで、トラック全体の安定性が増します。

ベースに使用する楽器はエレキベースかシンセサイザーがおすすめです。→打ち込みで使えるベースアレンジのコツ

6. リズムトラックを作る

ドラム音源を使ってリズムトラックを作っていきましょう。リズム作成に使用する音源は、一般的には音源サンプルや、ドラムマシンを利用することが多いです。

リズムパターンにも一定のセオリーみたいなものがありますが、これもはじめは参考音源を聴きながら同じように打ち込んでいくと良いでしょう。→【DTM】ドラムの打ち込みテクニック(初心者向けガイド)

ドラム 打ち込み

基本的なリズムパターンはジャンルによって異なりますが、一般的にはキック(バスドラム)、スネア、タム、ハット、シンバルで構成されており、キックとスネア、ハットの3点で基本的なビートは作られます。

なかなか始めのうちは、ドラムを耳で聴いて打ち込んでいくのは難しいかと思うので、音源サンプルのループ素材を使うのもアリです。「Loopcloud」のようなループ素材に特化したサンプル販売サイトもあるので、打ち込む作業が大変だと思ったら利用してみましょう。

7. ミックス&マスタリングをする

ミックスマスタリング

ミキシング

音楽制作のプロセスでは、作曲から始まり、編曲、ミックス、マスタリングという流れが一般的です。ミックス工程は現在の音楽制作では必ず行われる工程の一つです

音楽制作におけるミキシングとは、異なるオーディオトラックを最終的にステレオ、またはマルチチャンネルミックスとして一つにまとめる工程のことを指します。

ミキシングの目的は、ボーカル、ドラム、ギター、ベース、その他の楽器など、楽曲を構成するさまざまな要素の音量、音質のバランスをとり、まとまりのあるダイナミックなサウンドを作り出すことです。

マスタリング

マスタリングは、ミキシング作業の後に行う、プロダクションにおける最終工程のことで、イコライジング、コンプレッション、リミッティング等のマスタリング用プラグインを使ってオーディオバランスを最適化します。

音質や音圧を調整して、すべての再生機器やメディアフォーマットでなるべく同じようなバランスで再生されるようステレオミックスを最適化することで、アーティストとリスナーとの音楽的なギャップを埋めることを目的としています。

まとめ

ボカロ曲の制作は、好みの歌声のVOCALOIDソフトウェアと適切な機材を揃えて、基本的な作曲手順に従って始めることができます。ボーカロイドを活用すれば、ボーカリストを必要とせずに、自分の音楽アイデアを実現することができるようになります。

リファレンスとなる楽曲を活用して、作曲を繰り返すことで曲作りの「セオリー」的なことが自然と身についていきます。初めは時間がかかるかもしれませんが、根気強く自分のオリジナルな音楽を制作しましょう。

ボカロ曲の魅力を最大限に引き出し、自分の音楽を世界に発信することができれば、ボカロPとして注目されることも夢ではありません。

以上、「ボカロ曲を作り始めるときに必要な機材と簡単な作曲手順」でした。


ボカロを使って作曲をはじめよう!【ボカロPへの道】

Synthesizer V 重音テトの歌声をチェック!人気曲をアカペラで歌ってもらった

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