ギターでよく使う10のスケール(音階)
「ギタースケールっていろいろありすぎて覚える気にならない..。」
といった感じでスケールやモードを学ぶのを挫折した方は多いかと思います。しかし、実際にギターでよく使うスケールは限られています。
今回はアレンジや即興演奏で使用されることの多い、一般的なスケールのいくつかを紹介し、スケールの使い方についても少しご紹介します。
1. メジャースケール
メジャースケールはさまざまな場面でよく使われているスケールです。一般的な音楽の授業で習う「ドレミファソラシド」はCメジャースケールから出来ています。
メジャースケールから形成されたコードは、楽曲の流れとなるコード進行を形成するためにも使用され、このスケールとコードの関係性についても多くの理論があります。
→【ギターに役立つ音楽理論】スケールとコードの関係性を理解する為の5つのヒント
さらに、このスケールは後述する「ドリアンモード」のような、モードを形成するためにも使われる基礎的なスケールとなります。
2. ナチュラルマイナースケール
ナチュラルマイナースケール(エオリアンモード)は、メジャースケールと並んでポピュラーな音楽ジャンルで広く使用されているスケールです。
ロック、ハードロック等は基本的にマイナー系の曲が多く、メジャースケールよりもナチュラルマイナースケールの方が使用頻度が高い印象です。
メジャースケールの6番目の音からスタートするとナチュラルマイナースケールになることから、エオリアンモードとして捉えることもできます。
3. メジャーペンタトニックスケール
ペンタトニックスケールは、1オクターブの中に7音で構成されている音階の中から、2個の音を省略して5つの音符で構成されたスケールです。
非常にポピュラーなスケールで、さまざまな音楽ジャンルで使われます。心地よく、明るい響きがするので、邦楽との相性も良いです。
メロディックかつエモーショナルな雰囲気を持つ楽曲によく合います。
4. マイナーペンタトニックスケール
メジャーペンタトニックスケールの、マイナー版にあたり、同じく1オクターブの中に7音で構成されている音階の中から、2個の音を省略して5つの音符で構成されたスケールです。
マイナーペンタトニックスケールは、ナチュラルマイナースケールから2番目と6番目の音を省略したスケールで、ギタリストがソロを学ぶ為の最初のスケールであり、ロック、ブルース、ジャズ等、さまざまなスタイルでソロを作るために一般的に使用されます。
ギターソロを作ったり、アドリブ奏法に強くなりたいギタリストは、真っ先に覚えるべきスケールの一つです。
5. ハーモニックマイナースケール
3種類あるマイナー系スケールの中の一つ、ハーモニックマイナースケールです。
ナチュラルマイナースケールの7音目を半音上げることで「導音」を形成し、コード進行の中でトニックへの解決を促すために作られました。
ギターソロに使われることも多く、伝説的なギタリストであるイングウェイ・マルムスティーンが多用していたことから、メタル系の速弾きでよく使用される印象です。
6. マイナーブルーススケール
マイナーブルーススケールは、ブルース音楽やロックなどのジャンルでよく使用されるスケールです。マイナーペンタトニックの拡張版としてよく使用されます。
マイナーブルーススケールの特徴は、ブルースノートと呼ばれる減5度の音が含まれていることです。この音を使うことで、ブルースの特有の雰囲気を表現することができます。
ロックのギターソロ、メロディーライン、リフなどを演奏する際によく使用されます。
7. ドリアンモード
ドリアンモードはジャズやフュージョンといったスタイルの音楽でよく使用される、メジャースケールの2番目の音からスタートした音階です。
別名ジャズマイナースケールとも呼ばれるぐらい、よく親しまれているスケールなので、ジャズ系のギターを演奏する方にとって重要度は高めです。
ドリアンの雰囲気を出すには、6thの音を上手く使うことがポイントです。ジャズに限らずマイナーコードの上で、マイナーペンタトニックスケールに6番目の音を足して使用されることがよくあります。
8. ミクソリディアンモード
ミクソリディアンモードはメジャースケールとよく似ていますが、7度が半音低いのが特徴です。
7度を下げることで、ジャジーでエキゾチックな響きを持ちます。ミクソリディアンモードは、特にロック、ファンク、ジャズ、ブルースなどのジャンルで広く使用されます。
ミクソリディアンは、〇7コードのときによく使用されます。セブンスコードの特徴を強調し、緊張感のある響きを与えます。
9. フリジアンモード
フリジアンモードは、マイナーに似ていますが、ナチュラル・マイナーから2度の音を半音下げることによりフジリアン特有の雰囲気が得られます。
フリジアンモードは、独特でミステリアスな響きを持ちます。主にフリジアンモードはジャズ、フュージョン、フラメンコ、ロックなどのジャンルで使用されます。
暗い、切ない、情緒的な音楽表現に適しており、悲しい雰囲気やスペイン風の要素を加えることができます。
10. クロマチックスケール
クロマチックスケールでは、半音階の連続、つまり指板のすべての音を使用します。
クロマチックスケールは、色んな場面で使用されます。例えば、音楽のキーを変更するための転調、音階のパターンや音程の関係を分析するため、または練習のための指運動として利用されることもあります。
クロマチックスケールは、音楽の基本的な概念を知る上でも重要な要素となります。
まとめ
ギターでよく使う音階(スケール)をご紹介しました。
- メジャースケール
- ナチュラルマイナースケール
- メジャーペンタトニックスケール
- マイナーペンタトニックスケール
- ハーモニックマイナースケール
- マイナーブルーススケール
- ドリアンモード
- ミクソリディアンモード
- フリジアンモード
- クロマチックスケール
ロックならマイナーペンタ、ジャズならドリアン。といった具合に音楽ジャンルによってスケールの優先度も変化するので、自分の演奏している音楽に合わせて練習してみてください。
ギターでスケールを練習するときは、スケールのポジションと上昇と下降を習得したら、スケールの中の「度数」を意識しながら練習することをおすすめします。
スケールを形で覚えるよりも、後ろで鳴っているコードに対して今何度の音を使っているのか?を把握しながら練習することで、コードとスケールの響きを染み込ませるのに役立ちます。
以上、「ギターでよく使う10のスケール(音階)」でした。