自分でバンドでレコーディングする方法
今回はバンド全体を録音する為に必要な機材や、マイキング、ミックスの為のテクニック等のバンドレコーディング作業を進める前に準備しておくことをいくつかご紹介します。
1. 機材を揃える
楽器本体やアンプ以外にも、録音したバンドサウンドを取り込む為のDAW(作曲ソフト)が必要です。
特にロックバンドの場合は複数のシールドやXLRケーブルを受け取る為に、入出力の多いオーディオインターフェイスも準備します。
3~4人編成だと大体8つぐらいの入力端子があればドラムに複数本マイクを立てたり、ルームマイクも立てることができるので理想的です。
2. DAWの確認をする
レコーディングを始める前に録音する楽曲を実際にプレイしてみて、DAW上で各楽器の入力信号に問題がないかの確認をします。
生演奏するパートのトーンや音量感に異常がないかをチェックして、必要であればボーカルやギターソロ等のパートは残しておいて、後からレコーディングするということもできます。
演奏するメンバー以外にレコーディングのエンジニアとしてDAWの管理をしてくれる人を一人呼んでおくと、演奏に集中することができ、レコーディング中の異常に素早く気付けたり、スタート/ストップ/録り直しがスピーディーに進みます。
3. 楽器の配置
バンドのレコーディングにはマイクを使用するので、他の楽器の音が混入することは避けられません。
指向性マイクをアンプになるべく近づけることで、可能な限り回避することはできますが、ドラムのような大音量の楽器を避けることは難しいです。
なので、なるべくコンデンサーマイクを使用するボーカルは単体でレコーディングしたり、演奏者を半円状に配置して複数のアンプが向かい合うことがないように工夫することで、他の楽器の混入を少なくすることができます。
4. ドラムマイクのセッティング
ドラムに4本のマイクを使用する際の基本的なセッティング方法です。
→ドラム用レコーディングマイクのおすすめ5選
まずはオーバーヘッドマイク2本を位相がズレないように、なるべくスネアから等距離になるように設置して、ドラムキット全体の音とクリアなシンバルサウンドを入手します。
キックドラムはヘッド(ビーターで打たれる部分)に近づけるほどアタック感が増します。
フロント側の穴の少し横から狙ったり、キックドラムの中に毛布やクッションを詰めてミュートすることで倍音とサスティーンを減らし、パンチの効いたサウンドにすることもできます。
スネアドラムにはダイナミックマイクを使用して、端から数センチ上に配置します。
5. エレキギターの録音
ギターはアンプから音圧の高い高周波が出ているので、ダイナミックマイクが最適です。
スタジオやライブ現場で最も頻繁に見かけるのはShure SM57なので、特にそこまで音質にこだわりがなく、無難なマイクが欲しい方にはおすすめです。
基本的にはマイクをスピーカーコーンに向けてグリルクロスぎりぎりに設置しますが、角度やポジションによってかなり音質が変化するので、収音されたサウンドを確認しながら設置するようにしましょう。
コーンの中心に近いほど高音が増して、エッジ側に配置するほど丸いサウンドになります。
自分のアンプを使用している場合はグリルにカラーテープ等で目印を付けておくと次から簡単にスウィートスポットを見つけることができるのでおすすめです。
アコースティックギターの場合
アコースティックギターの場合はコンデンサーマイクを利用するのが理想的ですが、バンドミックスの場合には他の音を拾い過ぎるので、エレアコによるライン録りも同時に行うのが良いです。
ソロで演奏する時よりもアコースティックギターの入るスペースは限られており、ある程度の妥協は必要となります。目立たせたい場合にはミドルの音域をブーストしてみましょう。
6. ベースの録音
ベースの録音はDIボックスを使用することで機材間のインピーダンスの違いを調節し、直接入力(=ダイレクトインサート)目的で用いられます。
すっきりとした深みのあるトーンが得られますが、多くの場合さらにアンプの音を通してエッジとパンチを加えます
→エレキベース録音の為の7つのヒント
ベースアンプの収音にはAKG D112 MKⅡが人気です。ベースに必要なローエンド部分とアタック部分が拡張されているため、最高のサウンドを得ることができます。
7. ボーカルの録音
ボーカリストの収音はコンデンサーマイクが最も高音質ではありますが、激しめのロックバンドと一緒に録音する場合には環境ノイズを拾いにくいダイナミックマイクの方が適しています。
他の楽器と違い人から発する声なので、どうしてもピッチ感やダイナミクスが不安定になりがちです。
あまりにも音量のダイナミクス(大きい音と小さい音の差)が激しい場合にはコンプをかけながら録音するのもひとつの手です。
最近だとオーディオインターフェイスに内蔵されていたりもするので非常に便利です。
レコーディング前は喉が疲れない程度にウォーミングアップをして、なるべく短時間で録りきることで負担を減らして声質の変化を防ぎましょう。
連続して何回もボーカリストに歌わせるようなことがないように、周りの気配りが大切です。
まとめ
自分でバンドレコーディングする方法についてお話しました。
- 機材を揃える
- DAWの確認をする
- 楽器の配置
- ドラムマイクのセッティング
- エレキギターの録音
- ベースの録音
- ボーカルの録音
録音が終わってミキシング段階に進む前に、トラックに問題がないか確認しましょう。
上物やハモりパートをオーバーダビングしたり、気になる部分は録り直しをすることも重要です。
事前準備をしっかり行って、心に余裕をもってレコーディング本番を迎えるようにしましょう。
以上、「自分でバンドでレコーディングする方法」でした。