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自宅でボーカルレコーディングする時に役立つ6つのヒント

2021年8月27日

自宅ボーカルレコーディング

自宅でボーカルレコーディングする時に役立つ6つのヒント

マイクのみを使って自宅でセルフレコーディングを行うボーカリストの為に、シンプルな録音環境でもプロサウンドのボーカルトラックを録音する方法をご紹介。

ボーカルレコーディングは難しい?

簡易的な録音環境で自分でレコーディングを行う場合には、ボーカルと生ドラムがプロクオリティで録音することが最も難しい楽器であると言われています。

ボーカルレコーディング


特にボーカルは楽曲の中でも最も前面のセンターに配置され、リスナーから最も注目を浴びる存在なので、品質の低下による影響も大きくなります。

感情的に歌ったり、ささやいたり、叫んだり、ラップ等のダイナミクスの変化が他の楽器よりも大きく、「さしすせそ」の歯擦音や破裂音など、様々な不要なサウンドも生まれやすいです。

これらのボーカルミキシングによる編集を加えることで、深み、存在感、輝きを与えるためにできることはたくさんありますが、その前に正しい歌声を正しく録音するということが最も重要です。

とはいえ、これまでは専用のボーカルブースに入り、専用の高品質マイクを使い、ハイエンドのハードウェアプロセッサーのラックを備えた、本格的な音楽スタジオが必要でしたが、最近では市場に出回っているより手頃なレコーディング機器のいくつかに加えて、最新のコンピューターと少しのDIYノウハウがあれば、商業リリースに値するパフォーマンスを得ることが可能になりました。

ここからは自宅レコーディングのノウハウについていくつかご紹介します。

自宅レコーディングで必要な機材

自宅でボーカルレコーディングをするにあたって、最低限揃えておきたい機材をご紹介します。

必要な機材1 : マイク

マイクの選択は非常に重要で、ボーカルレコーディングの品質に大きな影響を与えます。以下はボーカルに適したマイクロフォンについてです。

ダイナミックマイク

ダイナミックマイクは、頑丈で信頼性が高く、高音圧にも対応できるため、ライブパフォーマンスやステージでの使用に適しています。ボーカリストレコーディングやや楽器の収音用としても広く使われています。

ダイナミックマイクの代表的なモデルとしてはShure SM58が人気です。

コンデンサーマイク

コンデンサーマイクは、高い感度と広い周波数応答を持ち、細かい音の質感を捉えることができます。スタジオレコーディングやプロのボーカル録音に使用されます。

ダイナミックマイクと比べて繊細であったり、価格が高くなりますが、より本格的なレコーディングを行う場合はコンデンサーマイクを導入してみましょう。代表的なものにAudio-Technica AT4050があります。

必要な機材2 : マイクケーブル

マイクケーブルは、マイクで拾った音声信号をオーディオインターフェースやミキサーに送るためのアクセサリーですが、高品質なレコーディングにはケーブルの品質も重要になります。

一般的にはXLRケーブル(またはキャノンケーブル)と呼ばれるものが使用されており、楽器に使用されるTRSケーブルに比べて、ノイズや外部干渉から保護する効果が高いのが特徴です。

必要な機材3 : オーディオインターフェイス

オーディオインターフェイスは、ボーカル音声や楽器のアナログ信号をデジタル信号に変換し、コンピューターに取り込むためのデバイスです。

音楽制作、レコーディングにおいて、オーディオインターフェイスは重要な役割を果たします。

必要な機材4 : ヘッドホン

自宅でボーカルレコーディングを行う際、自分の歌声を確認する為にモニター用ヘッドホンが必要になります。

自分の声を正確に聴きながら歌う必要があり、スピーカーだと音声がマイクから拾われてフィードバックが発生し、録音品質が低下する可能性があります。

必要な機材5 : DAW

DAWは、マイクロフォンからの音声信号をデジタル形式で録音し、後で編集できるようにします。録音中に演奏のエラーやノイズが発生した場合、DAWを使用してそれらを修正できます。

また、必要な部分をピックアップして不要な部分を削除するコンピングや、ボーカル用プラグインを使って、ピッチ補正をしたり、より魅力的なサウンドにする為のミックス作業もDAWで行います。

録音に役立つ6つのヒント

それでは、ここからは自宅でボーカルレコーディングする際に役立ついくつかのヒントをご紹介します。

1. 録音設定

録音を開始する前に、シンプルな環境の中でも可能な限り最高のサウンドをPCに取り込むために、部屋を調整し、マイクの位置を考慮し、不要なノイズを最小限に抑えて、録音に入り込まないようにすることが必要です。

ボーカルレコーディングにおいて、マイクにできるだけクリーンなサウンドをキャプチャすることが最も重要なので、ボーカリストの後ろの壁に毛布を掛けたり、予算に余裕があるのならコンパクトなシールドを導入するのが非常に効果的です。


録音に入る金属的な部屋の残響音をカットする為に使い、まずは信号をできるだけドライな状態で録音し、後から追加のリバーブプラグインを使用して残響音を付加する方が結果的に良くなります。

さらに可能であれば床にカーペットの敷いてある部屋を選択したり、窓にはカーテンをかける等、なるべく部屋の中にある固い平らな面を無くすことが大切です。

どれも難しい場合には、大きな一枚の毛布をマイクと頭の上に覆いかぶさるようにしてレコーディングをする方法やクローゼットをブース代わりに利用するやり方もありますが、マイクに毛布が触れないように気を配ったり、無理な体勢を強いられるので、シンガー自体のパフォーマンスが低下する可能性もあります。

クローゼット録音


2. マイクの配置

セルフレコーディング

音が壁に当たって跳ね返りマイクで拾われるのを防ぐ為に、マイクポジションはなるべく壁から離して配置し、歌っている場所に近すぎないように配置します。

ボーカリストとマイク本体の距離はマイクの収音特性と声に完全に依存しますが、シャウトををうメタルシンガーはマイクから30センチくらいは離れている必要がありますが、ソフトな歌声を持つフォークシンガーは出来る限り近づいて収音します。

シンガーとマイクの距離は目安であるため、レコーディング開始時に何回かテストテイクを録音して、トラックに最適な距離を確認することをおすすめします。

実際に録音するとき、すべてのテイクの音量差や音質をなるべく一定にするためにボーカリストは頭をできるだけ動かさず、始めのマイクと口の距離をキープする必要があります。

ほとんどのマイクは直接的な音に非常に敏感であり、マイクに近づいたり離れたりする微妙な動きでも、低音量が減ったり、角度が変わるだけで高音の量が低下したりする原因になります。


3. ノイズの原因を除去

PC ファン

普段気にならないような小さなノイズでも、ノーマライズと呼ばれる音量を最適化する段階や、コンプレッサーを加えてダイナミクスをコントロールする際に不利に働く可能性があります。

エアコン、扇風機、環境音、またはコンピュータの冷却ファン等のレコーディングの際にノイズの原因となる可能性のある音を最小限に抑えるようにします。

特にコンピューターのファンが大きい場合は、延長ケーブルをいくつか購入して、マシンを部屋の外に移動するか、少なくともマイクからできるだけ離して移動することを検討する必要があります。

 

4. ポップシールド

ポップシールド

マイクにポップシールドを使うことで、発声時に起こる破裂音(ぱ行、ば行)を低減してくれる効果があります。

それほど高価のものでもないので、購入をおすすめしますが、予算をかけたくない場合にはハンガーにストッキングを張ったもので代用することも可能です。


もう一つはマイクに近づきすぎることによる「近接効果」を防ぐ役割も持っています。近接効果は簡単に言うと「音源がマイクに近づけば近づくほど、低音域が強調される」という現象です。

ポップシールドとマイクの距離を調節することで、低音量のコントロールが可能なので、ボーカル本人の歌声が持つ低音とのバランスを考えながら距離を調節しましょう。

5. 機材を揃える

シンプルな録音環境であっても、レコーディング用のマイク本体、音声をPCに取り込む為のオーディオインターフェイス、マイクとオーディオインターフェイスを繋ぐXLRケーブルは優れた音声を録音するために明らかに重要です。

録音されるオーディオ信号の品質が全体的なクオリティに直接的な影響を与えるため、予算を考えた上で、手頃な価格の最高のオーディオインターフェイスが必要です。

【2021年最新】高性能で安いオーディオインターフェイスおすすめ5選

考慮すべき2つの主な事項は、プリアンプとファンタム電源が必要かどうかです。すべてのコンデンサーマイクにはファンタム電源または内蔵バッテリーが必要ですが、ダイナミックマイクやリボンマイクを使う場合は必要ありません。 

6. 機材の設定

実際に録音する際には音声信号がクリップしないようにするために、まずはインターフェイスの入力レベルを設定します。(ボーカリストが誤ってマイクに近づきすぎたり、感情的に声を張り上げるような場面を想定して、信号レベルのピークを約-6~-10dBFSにすることをおすすめします。)

続いてDAWのバッファサイズを設定します。数値を小さくするほどレイテンシーと呼ばれる音の遅延は最小限に抑えることができますが、PC能力を必要とします。

CPUの性能を考えてレイテンシーの問題とCPU限界を超えてグリッチする可能性を考えて、最適なバッファサイズに設定しましょう。 

あとは歌いやすいように最適なモニターレベルの調節や、レコーディングセクションの開始前にピアノを鳴らして歌い始めのピッチ補助を付けたり、音程が不安定になりがちな部分にガイドメロディーを制作したりと、自分の歌いやすいように編集できるというセルフならではの利点もあります。

まとめ

自宅でボーカルレコーディングする時に役立つ6つのヒントについてお話しました。

  • 録音設定
  • マイクの配置
  • ノイズの原因を除去
  • ポップシールド
  • 機材を揃える
  • 機材の設定

これらを行うことでボーカルレコーディングが有利になりますが、ボーカルパフォーマンス自体が最も重要であることは間違いないです。

同じ部屋でバンドと一緒に演奏しながらボーカルを録音することで、よりエネルギッシュなテイクを録れるならそういった方法を取ることもありますし、ノイズが乗っていても最高のテイクが録れた場合にはプロの現場であっても採用されることもあるので、環境に合わせて柔軟に対応することも大切です。

以上、「自宅でボーカルレコーディングする時に役立つ6つのヒント」でした。


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