作曲初心者の為の音楽理論ガイド
作曲を始めるミュージシャンの為の音楽の仕組みを理解する為の基本的な音楽理論ガイドを作成します。
音楽理論を学ぶことで、作曲の創造性を高めることができ、音楽制作をより効率的に進めることができるようになるメリットがあります。
音楽理論を学ぶことのメリット
- 楽曲を深く理解するのに役立ちます
- アイデアに煮詰まった時、大きな助けになります
- コード進行とメロディーの作成が簡単に
- 理論に基づいた決定力
- 頭の中のイメージを音楽として再現する能力の向上
- 制作のスピードアップ
- 他のミュージシャンとのコミュニケーションが円滑に
- アドリブスキルの向上
- 曲のアレンジスキルの向上
音楽の基礎
まずは音楽の基盤となる3つの要素について学びましょう。
音楽を構成する要素として
- リズム
- メロディ
- ハーモニー
メインとなるこの3つを学ぶことで音楽理論の理解が簡単になります。
リズム
リズムとは特定の時間内の音符と休符で表現することができ、また曲全体で繰り返される強拍と弱拍のパターンによっても表されます。
音楽のリズムを構成する基本的な要素として、BPM(テンポ)や拍子、ベロシティ(音の強弱)などがあり、リズムの基盤を作成する為に重要です。
メロディー
メロディーはピッチ(音程)とリズムで作られます。
- ピッチ : 音程は楽器や声の持つ音の波形の周期によって決まります。
音の高低はヘルツ(Hz)という単位で表され、例えば440Hz(ラ)の場合は1秒間に440回波打つということです。
- リズム : メロディーにおけるリズムは各音符が鳴る音の長さで表されます。
全音符、2分音符、4分音符、8分音符のような一小節内に含まれる音符の長さが基準です。
この2つの要素を組み合わせて、楽器や声で作られる連続した音のフレーズのことで、メロディーは楽曲を特徴付ける重要な要素です。
→メロディーの作り方【音を外さない方法】
ハーモニー
ハーモニーは調和の取れた複数の音を同時に鳴らすことで新しい音を生み出すことです。
ギターで使われる「コード」やボーカルの「ハモり」と言われるとピンとくる方も多いのではないでしょうか。
大きく分けてハーモニーには協和音と不協和音の2種類があります。
- 協和音 : 安定していて心地よい音になります。3度、5度、オクターブなどです。
- 不協和音 : 緊張感のある不安定な音。7度や9度などが当てはまります。
この両方を組み合わせることで、様々な和音の響きを表現します。
→ギターコードの基礎知識
音程と度数について
ハーモニーとメロディーについて理解したら、音程と度数について学んでいきます。
音程は半音階を含めた12の音のへだたりで、順次的に鳴る音に対する音程を旋律的音程と呼び、同時に鳴る音に対する音程のことを和声的音程と呼んだりもします。
音程の相対的な距離のことを「度数」で表し、同音は1度になるのでCとDの隣り合った音では2度になります。
英語だと2nd、3rd・・・といった表記になるので、こちらもよく使うので覚えておきましょう。
音程については作曲に必要な基礎知識【音程、音階、和音】でも図を使って分かりやすく解説しているので合わせてご覧ください。
スケールとモード
スケールとモードは音楽における音の構成要素を示します。
これらの種類と機能を理解することで、音楽に対する理解度が深まります。
この項目をしっかりと理解するにはキーやダイアトニックと呼ばれる概念とセットで習得する必要がありますが、今回は分かりやすく簡略して解説します。
スケール
スケールは1オクターブ内に配置される音のクループのことです。
一定の音程の距離や昇順または降順の関係により、各スケールが定義されています。
音楽の授業で習う一般的な「ドレミファソラシド」はCメジャースケールと呼ばれ、音程が「全全半全全全半」の距離で並んでいます。
ちなみにCマイナースケールだと「全半全全半全全」となり、この音と音の距離と並び方によって、明るい雰囲気だったり暗い雰囲気だったりとスケールごとのサウンドキャラクターが決まります。
一般的な現代の音楽では、楽曲全体で特定のスケール内の音のみを使ってメロディーとハーモニーを作ることが多いです。
モード
モードは初期の西洋音楽からきており、チャーチモード(教会旋法)とも呼ばれます。
現在のダイアトニックスケール上でメロディーが演奏され、コードで伴奏するという形が確立する以前から使われていた音楽概念です。
明確な旋律的な特徴を持つスケールの一種で
- イオニアン
- ドリアン
- フリジアン
- リディアン
- ミクソリディアン
- エオリアン
- ロクリアン
の7つのモードで成り立ちます。
スケールに使用されるルート音で調性の中心が定義され、別の音でスタートすることでそれぞれのモードを特徴づけることになります。
モードの概念はPOPミュージックに慣れ親しんだ人からすると、少し複雑です。
さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
コードについて
ハーモニーの項目でも言いましたが、コードは調和のとれた複数の音からなる音の集まりです。
伴奏としてメロディーを支えたり、楽曲の雰囲気を決定付ける重要な要素です。
ここではコードの作り方について学びます。
トライアドコード
トライアドは最も基本的なコード構成のひとつで、ルート+3度+5度の3和音で成り立っています。
ちなみに3度の音を半音下に下げるとマイナーコードとなり、暗い響きになります。
Cを一番下に配置するとCのトライアドコードになります。転回コードといってコードの役割はそのままで、ボイシング(音の並び)を変えるコードも存在するので、必ずしも一番下の音がルート音だとは限りません。
トライアドはセブンスコードやナインスコードのような、より複雑なコードの基盤となるので、非常に安定した響きを得ることができます。
コードを進行させる
コードを並べることで、コードに進行が生まれ、音楽として成立します。
コード進行にはある程度順序が決まった一連のセオリーが決まっており、ケーデンスと呼ばれるコード進行の最小単位から代理コード、裏コード、ツーファイブと呼ばれるリハーモナイズのようなテクニックを駆使して、アレンジを加えていきます。
ディグリーネーム
音程の項目では「度数」というものが使われていましたが、コードの音程差を表す場合にはディグリーネームというのがよく使われます。
キーCのダイアトニックコードのディグリーネームは以下です。
例えばキーがDになったとしてもディグリーネームの表記は変わらないので、コードを相対的に捉えることができるので非常に便利です。
まとめ
作曲に役立つ音楽理論の基礎についてお話しました。
リンク先も含めて覚えることができれば、今回の内容は非常に強力な作曲支援ツールとして役に立ちます。
とはいえ、音楽理論は絶対的なルールではありません。
あくまでも音楽の作成、理解、を支援するのが目的なので、理論よりもまず音楽に対する自由なアイデアを持つことは大切です。
作曲に行き詰ったときや、アイデアが枯渇したときには大きな支えとなってくれるでしょう。
以上、「作曲初心者の音楽理論ガイド」でした。
作曲を始める時にまず覚えるべき3つの要素
曲作りの方法【アイデアを得る為の5つのヒント】