ギターが上手くなる人が取り入れている練習方法は?
どれだけギターを弾いても、ギターの技術が上達しないと悩んでいませんか?これはギターを始めた方のほとんどが経験する大きな悩みの一つです。
憧れのギタリストみたいにカッコよく弾きたいと思っていざ練習をはじめても、どんな練習から始めればよいかわからず、結局上達を実感できずに挫折してしまう方もたくさんいます。
しかし、ギターがみるみる上達する人達は、基礎練習に加えて、日々の練習ルーティーンと正しい練習アプローチを取り入れることで、ギター演奏を次のレベルへ引き上げることに成功しています。
今回は、ギターが上手くなる人が取り入れている練習方法をいくつかご紹介します。
1. メトロノームを使って練習する
メトロノームを使った練習はあまり楽しいものではないかもしれませんが、総合的なリズム感を鍛える為に役立ち、どんな練習にも勝るメリットがあります。
常にメトロノームを使って練習することで、テンポ感を磨くことができます。また、メトロノームを使うことで、自分が演奏している曲のテンポを意識することができるため、曲をプレイするときにも安定したテンポで演奏することができます。
その他にも、バンドやセッションで他のミュージシャンたちとテンポを合わせることができるようになる為、バンドプレイやセッションでのテンポ感の調整がしやすくなります。
2. 毎日楽器に触れる
ギター上達のためには、少しの時間でもいいので、出来るだけ毎日練習することがポイントです。
ギターは「1日サボると3日分後退する」と言われるほど、継続して練習し続けることが大切な楽器です。初めのうちは上達をなかなか実感できないかもしれませんが、スポーツと同じように、練習を続けることで確実に技術は上達していきます。
忙しくて毎日練習が難しい場合は、10分だけでもいいのでなるべく毎日楽器に触れるようにしましょう。
→【ギター練習】プロが毎日やっている5つのこと
3. 弾けない部分を重点的に練習する
毎日の基礎練習以外にも、フレーズ、コードチェンジ、ピッキング等、難しいと感じている特定の1つの部分に集中して重点的に練習するとで、苦手を克服する能力を身に付けることができます。
特に難しいと感じているフレーズを練習することで、指の精度やスピードを向上させることができます。また、弾けない部分を重点的に練習することで、その部分をプレイするために必要な技術や感覚、筋力を身に付けることができます。
弾けない部分を重点的に練習することは、総合的な演奏力を高めるために欠かせません。
4. 弾ける部分ばっかりを弾かない
すでに弾けるフレーズやコードを演奏することは非常に楽しく、多くのギタリストがギターを手に取ったときにやってしまうルーティーンではありますが、技術向上を目的としている練習中においては、あまり効果があるとはいえません。
ギターを演奏するのと、練習するのとでは大きな違いがあり、特により良いギタリストを目指している方は、この2つを明確に住み分ける必要があります。
とはいえ、苦手なフレーズばかりで楽しみを見失ってしまっては本末転倒なので、良いバランスを保ちながら練習を進めましょう。
→エレキギター初心者の頃に必ずやっておくべき5つの練習項目
5. ドライトーンで練習する
ドライトーンとは、エフェクトを一切かけずにクリーントーンで演奏することを指します。ドライトーンでギター練習することは、以下のようなメリットがあります。
音の解像度が上がる
クリーントーンで演奏すると、ギターの音質がクリアで、フレーズをはっきりと聞き取ることができます。コードを演奏するときにもすべての音が綺麗に出力されているかを聞き取りやすくなります。
ミスに気付きやすくなる
ドライトーンで練習すると、微妙なミスタッチにも気づきやすくなります。例えば、リズムやピッキングミス、コードの押さえ方といった各要素がエフェクトをかけた状態よりもシビアになるため、正しく鳴らせているかどうかが判別しやすくなります。
ダイナミクスコントロール
ダイナミクスとは音の強弱のことです。歪みエフェクトをOFFにすることで、右手の強弱による微妙な抑揚コントロールの練習になります。
正しい奏法が身につく
ディストーションを加えた状態だと、ハンマリングオンやプリングオフといった各種奏法テクニックの難易度が極端に下がります。ドライトーンにすることで正しい鳴らし方が自然と身につきます。
6. 鼻歌で歌いながら弾く
ギター以外の楽器全てにあてはまる練習方法ですが、鼻歌でもいいので弾いている音を歌いながら練習することで、音感が身につくと同時に上達が早くなります。
自分が声を出す音と、弾いたときの音がリンクするようになる為、より確実に音階を理解できるようになります。また、頭の中に思い浮かんだメロディーをギターで再現する能力も上がるので、作曲能力の向上にも繋がります。
特にアドリブのジャムセッションや、音楽制作にも力を入れたいギタリストにおすすめの練習方法です。
7. 練習を録音する
自分の演奏を録音して聞き返すことで、客観的に演奏を評価する癖がつき、弱点を見つけやすくなります。
綺麗に弾けたと思っていても「録音して聞き返すとひどい演奏だった…」ということはよくあることです。普段からギター練習を録音することで、早い段階で自分の演奏に足りない部分を認識することが重要です。
無料のDAWでもいいので、クリックを鳴らしながら録音して、リズムのズレを修正するようにすると一気に演奏のクオリティが上がります。
8. ゆっくりなテンポから練習をスタートする
練習している時に原曲のテンポのままで練習している方も多いとは思いますが、無理に弾けないスピードで練習を続けていると、悪い習慣が身に付いてしまう可能性があります。
ミスしてしまう速度で常に練習していると、ミスをする状態のまま体に染みついてしまい、失敗する癖が中々抜けない状態になりかねません。
まずは確実にフレーズを弾くことができる、ゆっくりなテンポで練習をスタートすると、各音符をより精度よく演奏することができるようになります。
→ギター上達の為の7つのステップ
9. リズムトラックを付けて練習する
クリック練習も非常に効果的ではありますが、できれば生ドラムと同じキック、スネア、ハットといったドラムキットと共に練習することをおすすめします。
特にバンドのようなアンサンブルで演奏する機会が多いギタリストの方は、クリックのような点ではなく、リズム楽器のグルーヴを感じて演奏する練習になるので、リズムマシンを導入してみましょう。
DAWを使った打ち込みドラムでもいいので、基礎的なリズムパターンのトラックを用意しておくと便利です。
→【無料】高品質なフリードラム音源プラグイン10選
10. スケール練習
※スケールについての詳細はスケールとモードについて【作曲に役立つ音楽理論】で紹介しているので、あわせてご覧ください。
スケールは一度覚えてしまったらそれで終わり。なんて人もいるかと思いますが、プロギタリストであってもスケール練習は毎日欠かさず行うギタートレーニングの1つです。
決まった音階で音を出すスケールは、ギターの基本テクニックです。中でも5つの音で構成されるマイナーペンタトニックスケールはロックギタリストなら真っ先に覚えておきたいスケールです。
ギタースケールを指板上の好きなポジションで弾けるようになれば、将来的にはセッション時のアドリブ奏法や作曲時のギターアレンジにも使うことができます。
11. コード練習を重点的に
カッコいいギターソロや、メロディックなリードフレーズに惹かれるかもしれませんが、実際にはこれから先の長いギター人生における70~80%ぐらいはコードバッキングを弾くことになります。
もし、ギターを仕事にしたいと考えているのなら、基礎であるコードバッキングの演奏力を鍛えることで、ギタリストとしての総合的なスキルが上昇し、あなたのバックギタリストとしての需要が高まると言えます。
→ギターストロークの強化練習【右手とリズム】
スタジオミュージシャンでも、歌手のバックバンドであっても、基本的には伴奏であるコードバッキングが主体となります。
12. 練習メニューを組む
ギター上達をさらに効率化したいのなら、ギター練習メニューを組むことを実践してみましょう。
日々の練習を行き当たりばったりで進めたり、なんとなく毎日同じメニューをこなしているようなことがないように、効率的な練習を取り入れてみましょう。
以下は、1時間で終わる効率的な練習メニューの例です。
0~10分 : スケール練習
スケールの練習を始めます。
耳のトレーニングと指を馴らすためにもスケールの上昇、下降フレーズは効果的です。
初心者の方はペンタトニック / ブルーススケールから習得するのがオススメです。なるべく音程を意識して、今どの音を弾いているのかを考えながら弾くと効果的です。
スケールの形を覚えても、忘れないように毎日練習することで自分の引き出しとして蓄えられていきます。
10~20分 : コード練習
続いてコード練習です。
毎日2~3個のコードを習得して、新しいコードは作曲のインスピレーションや楽曲に色付けするのに役立ちます。
コードを覚える良い方法はコード一覧表を開いて順番に覚えるよりも、キーを指定して、そのキーに含まれるダイアトニックコードを順番に覚えていくことです。
→ギター初心者が覚えるべき5つのコード(優先順にご紹介)
基本のトライアドコードをある程度覚えたら、実際に曲の中で使ってみたり、4和音コードにも挑戦してみましょう。
20~50分 : メインセクション
自分の目的に合わせて、その工程を進めます。
練習項目の中でもメインとなる部分で、ここはギタリストごとに練習内容は変わります。
例えば自分が弾きたい楽曲の練習を進めたり、シンガーソングライターを目指している方なら、引き続きコードバッキングの強化や、作曲方法を学んだりと目指すべきアーティスト像となる為のメインセクションです。
なるべく楽しんで取り組めることに大きく時間を費やすことが重要です。
50~60分 : 音楽理論を学ぶ
ギターに必要な音楽理論を学ぶことで、明日の練習がさらに効率的になります。
スケールとモード、代理コードや作曲に必要な基礎知識など様々な知識を学ぶことで、音の持つ役割が分かるようになるので、ギターを通じて音楽そのものに深い興味が芽生えます。
ギターの習得スピードも速くなり、ギターの練習がもっと楽しくなります。
以上のメニューはあくまで一例なので、自分の現在のスキルレベルに合わせてメニューを組んでみましょう。
まとめ
ギターが上手くなる人が取り入れている練習方法をご紹介しました。
- 1. メトロノームを使って練習する
- 2. 毎日楽器に触れる
- 3. 弾けない部分を重点的に練習する
- 4. 弾ける部分ばっかりを弾かない
- 5. ドライトーンで練習する
- 6. 鼻歌で歌いながら弾く
- 7. 練習を録音する
- 8. ゆっくりなテンポから練習をスタートする
- 9. リズムトラックを付けて練習する
- 10. スケール練習
- 11. コード練習を重点的に
- 12. 練習メニューを組む
ギター初心者の方で、どんな練習をすれば上達するのか、どんなステップを踏んで練習すればよいか、など上手くなるための効率的な練習方法が知りたい方は是非参考にしてみてください。
いきなり上手くなる魔法のような練習方法はありませんが、毎日焦らずコツコツと練習していることで、確実に上達するのもギターの良さの一つです。
上達することが分かれば、毎日の練習がより楽しくなることは間違いありません。
以上、「ギターが上手くなる人が取り入れている練習方法は?」でした。