EDMの作り方【DAWを使った打ち込み方法】
DAWを使ったEDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)の制作は、シンセサイザーのようなソフトウェアの操作、各種エフェクト関連、ミキシングテクニック等、覚えることが多いですが、その分他の音楽ジャンルにはないような制作の自由度の高さが特徴です。
今回はこれからDTMを使ってEDMの制作をはじめる方に向けて、まずは使用楽器や基本的な制作手順について、FL Studioを使った実際の制作工程と共に解説していきます。
キック
それではBPMを140に設定して、まずはキックから作っていきます。
EDMにおいてキックは最重要パートで、リズムの基礎を構築します。
一般的にEDMの場合は「Loopmasters」や「Splice」のようなサンプル販売サイトからキックサンプルを探してきて利用します。
ダンスミュージックでは基本4つ打ちと呼ばれる(1小節に4発キックが鳴るパターン)リズムが人気ですが、ジャンルによって様々です。
チャンネルラックに目当てのキックを挿し込んだら、リズムを打ち込んでいきましょう。
EDMキックにはレイヤーと呼ばれるキックを複数重ねるテクニックが使われます。
気に入ったキックが見つからない場合に、キックのおいしい部分を重ね合わせてオリジナルキックを作り出すことができるので覚えておくと便利です。
スネア
キックを打ち込んだらスネアでバックビートを作ります。
基本的には2拍目と4拍目に配置することで、キックと組み合わさることで強力なグルーブ感を生み出すことができます。
今回はダブステップ調のハーフリズムなので3拍目になっています
リバーブのような空間系エフェクトを使用する場合、キックよりも音程感が出やすいので、場合によってはキーに合わせたチューニングを行うことで、より楽曲にマッチしたスネアサウンドになります。
→スネアの抜ける音作り【EDM】
シンバル系
次にシンバル系でビートを装飾していきます。
8、16分音符で刻むハットビートを挿入したり、クラッシュを使って高音域を埋めます。
今回は左右にクラッシュを振って、右は4分音符で左は2分音符という少しトリッキーな感じにしてみました。
シンバルだけで聴くと少し気持ち悪いですが、後にシンセサイザーが入るとそこまで違和感はないです。
高音を左右に大きく振ることでステレオ空間を広く使えて、ワイドな音像に仕上げることができます。
ベース
続いてベースを打ち込んでいきます。
この段階でコード進行とキーをある程度確定させなければいけないので、ほんの少し音楽理論を勉強しないといけないのですが、はじめはプロの楽曲を参考にしたり、EDMでよく使われているコード進行 5選の記事を参考にして作ってみてください。
今回はG#→A#→Cm→A#のコード進行でピアノロールに打ち込んでいきます。
基本的にはあまり音程を動かさずにルート音のみで打ち込んでいくのが王道ですが、もしオシャレにベースアレンジしたい場合は「惹きつけるベースラインを書く為の5つのヒント」を合わせてご覧ください。
ベース音源はSERUMとサイン波のサブベースをレイヤーさせています。
普通のベース音とさらに1オクターブ下の低い音を加えることで、ローエンドを強化しています。
シンセサイザー
EDMのといえばど派手なシンセサイザーを使ったコードやメロディーが特徴的です。
まず使用楽器なのですが、人気のシンセサイザーとして「SERUM」や「Sylenth1」辺りは定番です。予算に余裕があるなら「Omnisphere」を持っておくと非常に強力です。
コード
まずピアノロールにコードから打ち込んでいきますが、この際にコードボイシングと呼ばれる音の積み上げ方が非常に重要なので、早めに勉強しておくと後々役に立ちます。
コードを作るのが難しいときはダイアトニックスケールに沿って作っていくことで、音が外れることが無くなるので便利です。
今回は複数のシンセサイザーを使ってレイヤーさせながら音を重ねていくことで迫力のあるサウンドに仕上げています。
さらにアルペジオフレーズも足してます。
EDMコードのサウンドメイクについては動画のほうで詳しく解説しています。
メロディー
メロディーもシンセサイザーで作られる場合がほとんどです。
メロディーラインの制作には作り手のセンス次第なところがあるので、一概に「EDMのメロディーはこう作る」といったような正解はないです。
こちらの記事を参考にして、オリジナルのカッコいいメロディーを生み出してみてください。
サウンドメイクとしてはコードと同じように複数のシンセサイザーでレイヤーしたり、オクターブでユニゾンさせて音圧を稼ぐのが一般的です。
慣れないうちはコードに含まれている音だけを使うようにすると、音が外れることはないのでオススメです。
コードとメロディーを足したトラックがこちらです。
シンセサウンドが加わることで、一気にEDMっぽくなりましたね!
まとめ
EDMの作り方についてお話しました。
- キック
- スネア
- シンバル系
- ベース
- シンセサイザー
もちろんEDMではこれら以外にも多くの楽器が使われていたり、サイドチェインによるダッキングのような定番のミックステクニックやVSTプラグインソフトと呼ばれるエフェクト類を使ってさらに音質を整えていく必要があります。
まずは今回の基本的な作り方を参考にして、自分の好きな音楽をたくさん作曲してみるところから始めてみましょう。
以上、「EDMの作り方【DAWを使った打ち込みについて】」でした。