簡単なドリルビートの作り方【DTM】
アメリカのシカゴで生まれた「ドリルビート」は、ヒップホップからの派生ジャンルで、力強いキック&808ベースと高速なハットワークが特徴的な音楽です。
現代の音楽シーンで急速に人気を博している音楽ジャンルで、最近だと「槇原ドリル」と呼ばれるREMIX作品がTikTokやその他SNS上で流行し、注目を集めています。
若いアーティストたちが都市のリアルなストーリーや苦境を表現し、社会的メッセージを伝える手段としての役割にあります。
日本でのドリルはそういったメッセージ性よりも、単にドリルのビートが使用されている楽曲であればドリルミュージックとされています。
今回は、そんなドリルミュージックの簡単な作り方についてご紹介します。
ドリルビートを作るのに必要なもの
ドリルビート制作に最低限必要な機材は以下の通りです。
- コンピューター
- DAW(作曲ソフト)
- ヘッドホンorスピーカー
あれば便利なツール
- MIDIコントローラー
- サンプルライブラリ
- オーディオインターフェイス(楽器や歌入れする場合)
ビートを作るには、いくつかの機材が必要です。基本的にはDAWと呼ばれる作曲ソフトは必須となるので、PC、Macまたはタブレットが必要となります。
FL Studio、Ableton Liveは、海外のビートメイカー達にも人気のあるソフトウェアですが、予算を抑えたい場合には無料DAWでも制作することは可能です。
キックやスネア等のサンプル音源は、LoopCloudやSpliceといったサンプルライブラリから入手するのが一般的です。
ビートメイクに必要な7つの機材とソフトウェア【DTM】を参考に、まずは必要な機材を揃えましょう。
ドリルビートの基本要素
ドリルビートは非常にシンプルな構成で成り立っています。基本の要素は、力強いキックドラムとスネアドラム、フロアを揺らす重厚な808ベース、そして細かなリズムを担当するハイハットでほぼ完結します。
装飾的にダークメロディを付けたり、追加のパーカッションでよりグルーヴ感を強化することもできます。プロデューサーはこれらの要素を混ぜ合わせて調節することで、独自のスタイルを打ち立てることでオリジナリティあるドリルビートを作成しています。
それでは、ここから各楽器の詳しい作り方についてご紹介します。
ハイハット
ドリルビートにおいて、ハットの打ち込みテクニックは非常に重要です。
基本的にはヒップホップビートの作り方と同じように、クローズドハイハットを使って打ち込んでいき、アクセントとしてピッチアップしたハットやロール、オープンハイハットを使用します。
ビートのキャラクターを決定付けるポジションを担っているので、音色の選択やベロシティ、パンニングの設定までじっくりと時間をかけて作り上げましょう。
【DTM】最高のハイハットサウンドを手に入れる為の7つテクニック
キック
キックはビートの基盤を作ります。基本的にはダウンビートを鳴らし、表拍を強調します。
実際にはシンプルな構成で、休符やゴーストノートを上手く取り入れて「リスナーにリズムをイメージしてもらう」という感覚でキックを打ち込んでいきましょう。
音色としてはコンプレッサーで強めに圧縮をかけて、サチュレーションによる歪みを付与することでパンチのあるキックサウンドが得られます。
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スネア
スネアはバックビートを強調し、一般的には4/4拍子の場合2と4で鳴らしますが、必ずしもそうであるというわけではありません。
ドリルビートの場合、基本的には3拍目で鳴るようにすると安定しますが、たまに4拍目にずらしたり、キックとハイハットとの兼ね合いをみながら打ち込んでいきましょう。
音色は、スネア以外にもクラップやリムショット等も使用されることも多いので、好みに合わせて選択しましょう。
808ベース
ドリルビートでは「808」と呼ばれる歪んだサイン波がよく使用されます。音域的にはサブベースと呼ばれるかなり低い音域を扱うことになるので、ローエンドのミックス処理が重要となります。
コード進行はとてもシンプルで、2コードや3コードを1曲通して繰り替えすようなパターンが多いです。永遠にループするだけだと少し退屈だと感じるときは、グラインドやオクターブ上のハイフレットを使用してアクセントを付けることもできます。
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ダークメロディ
ドリルビートでは、ヒップホップやトラップで使われるダークメロディがよく採用されます。
ダークメロディは、不協和音による不安定なハーモニーと、ハーフスピードエフェクトを使ってテープをスロー再生した時のようなピッチダウンしたサウンドが特徴的です。
レトロな雰囲気なエフェクト(RC-20 RETRO COLOR)を使った、あえて「汚した」サウンドがよく使われており、ビートメイクにおいて必須テクニックなので是非とも習得しましょう。
ドリルビートの完成
これらの要素を組み合わせると、ドリルビートの完成です。
あくまでも土台となる基本形なので、ここから楽器を追加したり、さらにアレンジを加えて独自性のあるオリジナルビートを作成してみましょう。
以上、「【誰でも出来る】簡単なドリルビートの作り方」でした。
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